人生100年時代といわれるようになり、健康に気遣って運動したり、食事に気をつけたりしている方は増えてきていると思います。ですが、意外と“目”に関して無頓着な方が多いのではないでしょうか。
眼科外科医の深作秀春氏は、「いまや100歳の長寿の時代といえども、目の寿命は60~70年とずっと短いために、私たちは目の寿命を延ばす工夫が必要です」と言います。深作氏の著書『世界一の眼科外科医がやさしく教える 視力を失わないために今すぐできること』より一部抜粋し再構成のうえ、本稿では目の病気を予防する、今すぐできる目を守る生活の知恵をご紹介します。
根拠のない目の健康法を信じないこと
近視や疲れ目を治したい、目の不調をなんとかしたいという人が増え、目の簡単健康法が世にあふれています。しかし、医学的に考えると効果のないものばかりなのです。
かけるだけで近視や老眼がよくなるという穴あきメガネは、近視や老眼の人が目を細めると少し見えるように感じるピンホール効果と同じです。しっかりは見えませんし、かけることで近視や老眼が治ることもありません。目を細めても近視や老眼が治らないのと同じです。
特殊な模様や遠くの風景写真などを見ると目がよくなるというのもでたらめです。遠景の写真でも、実際に目との距離は40cmほど。視力調整筋はゆるみません。3Dアートを見ると目がよくなるというのもうそ。
左右の目で角度の違うものを見て、1つの画像として脳に錯覚させる「錯視」という現象で、目の神経と脳の両方がとても疲れます。立体映画を見たあとに疲れた経験はありませんか? 安易な方法に飛びつくと、目の健康を損ないます。
POINT! ピンホールメガネも目にいい絵も根拠がないだけでなく有害なことも!
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