原発冷却に出動した国内最強の「特殊消防車」とは

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原発冷却に出動した国内最強の「特殊消防車」とは

危機が続く福島原子力発電所。17日の19時過ぎ、見慣れない形の大型消防車5台が順番に、煙を吐く福島第一原子力発電所3号機に向けて放水を開始した。

この見慣れない特殊消防車の正体は、航空自衛隊が保有する空港用化学消防車だ。本来は空港に置かれ、航空機の墜落事故などが起こった際に、事故現場に真っ先に駆けつけ消化活動を行う役割を担っている。

航空自衛隊が派遣したのは「大型破壊機救難消防車 MB-3」と呼ばれる車種で、1989年から配備が始まった車両だ。

全長11.95メートル、全幅3.1メートル、全高3.78メートル、車重31トン。大型観光バスの全幅を横にやや広くしたサイズながらも重さは2倍。エンジンは大型トラックにも搭載される日産ディーゼル(現UDトラックス)製のRH10Eエンジンを2機搭載。

滑走路以外の事故現場にも急行できるように8輪タイヤを備え、時速100キロメートルでの走行が可能だ。この車両は東急車輌特装が手掛け、1台の値段は2億円と推測される。

ポンプの性能そのものは非公開だが、放水可能距離は80メートル以上、1分間に6000リットルと通常のポンプ消防車の3倍の放水量を誇る。走りながら放水できることも特徴で、その走破性や放水量から見ても国内最強の消防車だ。

今回、航空自衛隊からは、百里基地(茨城県小美玉市)から3台、三沢基地(青森県三沢市)から1台、小松基地(石川県小松市)から1台のMB−3型を派遣。入間基地(埼玉県狭山市)からMB−2の改造型が1台派遣された。

17日の放水活動に続き、18日も特殊消防車による放水活動は続いている。果たして国内最強の消防車は使用済み核燃料の保管プールに水を注ぎ込むことができるのか。事態収束に活躍することを祈りたい。
(松浦 大 =東洋経済オンライン)

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