ただ、いつからどのような規模で、という全容解明までには「(調査は)下手をすれば半年など、相当な期間が必要になる」とビッグモーターの関係者は話す。損保各社によるビッグモーターへの事故車(入庫)紹介は年間で合計3万件以上に上っていたといい、個別案件ごとの精査にはかなりの人員と時間を要するという。
その間、被害顧客への対応も思うように進まないことになるが、金融庁のある幹部は「損保各社への報告徴求を通じて、被害を受けた顧客への迅速な対応を促すというのも一つの手かもしれない」と話す。報告徴求とは保険業法に基づく行政措置で、不祥事や不適切な取引の疑いがある場合などに、保険会社に対して業務などに関する報告書の提出を命じるものだ。
いまだもってビッグモーターの顔色をうかがうような対応をする損保各社の姿が見受けられるなかで、顧客本位を掲げる金融庁としても苛立ちが募っているようだ。
ビッグモーターによる第三者調査の実施表明と前後するように、金融庁は12月に入って損保ジャパンに対して、ビッグモーターが取り扱った事故車の損害査定や保険金の支払い態勢に問題がなかったか検証するよう指示を出した。それは責任の一端が、損保側にもあるとみているからにほかならない。
求められる対外的な説明責任
12月15日、日本損害保険協会の会長として定例会見に臨んだ損保ジャパンの白川儀一社長は、ビッグモーターによる保険金水増し請求問題について「保険会社としてお客様や社会からの信頼は第一であり、不適切な保険金請求に対しては、毅然として厳正な対処をしていく」と述べた。
その上で、「契約内容、事故状況、修理費協定内容など確認のポイントは多岐にわたるが、1件1件の事案を確認し調査が終了したものから、顧客対応を順次開始している」と話した。
水増し請求問題をめぐり、今後はビッグモーターに加えて、対応が迷走している損保ジャパンにおいても対外的な説明責任が求められる。
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