内外債権大量保有で邦銀の金利リスクは危険水域 円金利リスク量は2002年度以降のピーク水準に

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屋敷氏はデュレーションが長くなるほど、価格変動リスクは拡大し、金利が上昇した場合の損失発生の可能性も高まると説明。その上で「金利感応度が大きい金融機関は、よりしっかりと対応していく必要がある」とし、地銀などによる運用リスク管理の重要性を指摘した。

仮に国内金利が上昇すれば、銀行にとっては本業の融資業務で貸出金利ざやが拡大するほか、有価証券運用でも一部の債券で利息収入の増加につながるなど、収益面のプラス要素は大きいとも付け加えた。

外債は含み損・逆ざや

大手銀行グループについて屋敷氏は、「全体で見るとバランスが取れている」との認識を示した。有価証券運用を含む市場関連業務や融資、証券ビジネスなどの事業分散により、「地銀とは異なる」とみている。

一方、9月末時点で外債保有に伴う含み損は大手3メガグループが合計で4兆円弱(3月末は約1兆7000億円)。SMBC日興証券の佐藤雅彦シニアアナリストによると、上場地銀が約1兆5000億円(3月末は約2000億円)に拡大。海外金利の上昇で外貨調達のコストが運用利回りを上回る逆ざやも発生している。

屋敷氏は逆ざやとなっている債券は、「保有しているだけで経営体力をむしばむ」と強調。含み損を抱えている状態も含め、銀行などの経営陣は「いったいどのように対応していくつもりなのか、説明できるようにしておく必要がある」と述べた。

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著者:伊藤小巻、浦中大我

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