中国のサービス業の景況感悪化が加速している。12月5日に発表された11月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は46.7と、前月(48.4)より1.7ポイント低下。好不況の目安とされる50を3カ月連続で割り込み、6月以降の最低値を更新した。
前週の12月1日に発表された11月の財新中国製造業PMIは49.4と、同じく目安の50を割り込んだものの、前月(49.2)より0.2ポイント上昇した。このことは、秋口からの新型コロナウイルスの感染拡大と厳しい行動制限が、製造業よりもサービス業により大きな打撃をもたらしていることを示唆する。
サービス業の11月の事業活動は、供給側と需要側の双方で活気を欠いた。生産指数および新規受注指数は、拡大基調と縮小基調のボーダーラインを3カ月連続で下回り、5月以降で最大の下げ幅を記録した。
景況感悪化の深まりとともに、雇用情勢はさらに厳しさを増している。サービス業の雇用指数は10月に一時的にボーダーラインを上回ったが、11月は大幅に落ち込んで再び縮小基調に転落、2005年11月の統計開始以降の最低値となった。
高まる経営者の先行き不安
調査対象企業によれば、新型コロナの感染拡大を抑え込むための行動制限により、多数の従業員が正常に出勤できない状況に陥っている。企業側も先行きを悲観し、新規採用を先送りしているのが実態だ。
原材料費、物流費、人件費などの値上がりにより、サービス業の経営コストは上昇傾向が続いている。仕入れ価格の指標である投入価格指数は、11月は前月より若干低下したものの、引き続きボーダーラインを上回って推移した。一方、販売価格の指標であるサービス提供価格指数は、需要縮小を受けてボーダーラインをわずかに上回る水準まで低下した。
先行き不安の高まりを受け、サービス業の経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数は、11月は8カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。調査対象企業からは、「新型コロナの感染拡大と行動制限の影響がどこまで広がるかが読めず、事業の不確実性が大きい」と憂慮する声が寄せられた。
(訳注:中国政府は12月に入って行動制限の大幅な緩和に乗り出しており、今後の景況感に大きく影響することが見込まれる)
(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は12月5日
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