政策思想を「隊長」として考える所得再分配の未来 国民的議論のスタートラインにやっと立てた日本

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『もっと気になる社会保障 歴史を踏まえ未来を創る政策論』権丈善一、権丈英子 著
もっと気になる社会保障 歴史を踏まえ未来を創る政策論(権丈善一、権丈英子 著/勁草書房/2530円/392ページ)
[著者プロフィル] 権丈善一(けんじょう・よしかず)/慶応大学商学部教授。博士(商学)。1962年生まれ。著書に『ちょっと気になる政策思想』など。
権丈英子(けんじょう・えいこ)/亜細亜大学経済学部教授。Ph.D.(経済学)。著書に『ちょっと気になる「働き方」の話』など。

社会保障の泰斗、権丈善一による「ちょっと気になる」シリーズの最新刊である。共著者は労働経済学者の権丈英子。初の夫婦共著だ。最近の文章や講演録を集めたもので、扱うトピックは年金、労働、医療・介護、社会保障の政策論など広きにわたる。

しかし、著者のことだから単に最近のものの寄せ集めではないはずだ。今回は「ちょっと気になる」も、「もっと気になる」に変わっている。

社会保障の歴史を踏まえたうえで、これまで書籍にはあまり載せてこなかった政策提言に重点を置き、シリーズの総集編に位置づける。そして、本書の「隊長」は「政策思想」だという。

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