環境危機への非常手段、「ジオエンジニアリング」 地球環境に人為的な介入を行うとどうなるか

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『地球をハックして気候危機を解決しよう』トーマス・コスティゲン 著
地球をハックして気候危機を解決しよう 人類が生き残るためのイノベーション(トーマス・コスティゲン 著/穴水由紀子 訳/インターシフト/2530円/320ページ)
[著者プロフィル]Thomas Kostigen/ライター、ジャーナリスト。著書に『グリーンブック』(共著)『今、世界で本当に起こっていること』『世界のどこでも生き残る 異常気象サバイバル術』など。ワシントンポストなど、多くのメディアに寄稿。

人類の活動によって、大気中に放出される温室効果ガスが増え続けている。その結果、地球の平均気温は20XX年までに最大○度上昇する、海面は△メートル上昇して大都市が水没し異常気象も頻発する──といった話は、みな飽きるほどに聞かされていることだろう。しかし毎年のように最高気温が更新されようとも、環境活動家が名画にスープを浴びせようとも、人々の生活スタイルは一向に改まりはしない。コロナ禍にもかかわらず、2021年の世界の二酸化炭素排出量は史上最高を記録した。

ジオエンジニアリング手法

このままではらちが明かない。もはや非常手段に訴えるべきときだ、と考える人々が現れている。地球に対しさまざまな形で手を加えることで、この環境危機を乗り越えようとする「ジオエンジニアリング」と呼ばれる手法だ。

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