任天堂、爆売れの「ポケモン最新作」で露呈した急所 発売3日で1000万本と売れ行きは過去最高

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そして、大ヒットのもう1つの理由としては、Nintendo Switchの機が熟しているのもかなり大きい。Nintendo Switchは発売から5年半以上も経過しており、全世界でシリーズ累計1億1433万台以上も売れている。実に多くの人が持っているゲーム機なわけで、ここで人気ソフトを出せば売れる可能性が非常に高いのは言うまでもないだろう。

『スプラトゥーン3』が発売後3日間で日本国内の売り上げが345万本を記録しているように、任天堂の人気タイトルはとにかく爆発的なヒットを実現できる土壌が整っているわけだ。

2023年5月発売予定の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』もなんらかの記録を打ち立てる可能性がある。

Nintendo Switchという優れた環境があるうえ、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』はゲーム内容としてもかなり期待されていたのである。発売後3日間で1000万本を記録するのも理解できるだろう。

「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」のプレー画面
オープンワールドが売りになっている『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(画像は任天堂公式サイトより)

フレームレートが低下する問題が発生

しかし、この状況には懸念点もある。それは「Nintendo Switchを取り巻く環境」についてだ。

残念ながら、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』には問題が多い。とくに指摘されているのがゲームの動作についてであり、広いフィールドを移動しているとフレームレートが低下する問題だ。

フレームレートとは、1秒間の動画で見せる静止画の枚数(コマ数)のことで、テレビゲームは1秒間に30~60程度の静止画を連続で表示する。フレームレートが高ければ高いほど映像はなめらかになるし、安定した数値を出せていると快適にプレイできるが、低下すると動きが遅く感じられたり、思いどおりに動かなかったりしてストレスの原因になる。

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は描画範囲も狭く、少し遠くにいるポケモンや人物は動きがカクカクになってしまう。もちろんこれらは程度問題で気にならない人もいるわけだが、しかし多くの評論家やユーザーから「問題である」と言われてしまっているのが現状だ。

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