【産業天気図・パルプ/紙】需要は底堅いが、原燃料高や割安な輸入紙の流入増が懸念材料

●お天気概況
 日本製紙グループ本社が昨夏2年ぶりに表明し、各社が追随した印刷用紙の価格修正は半年近くかけ、ようやく浸透した。ただ印刷大手など大口ユーザーの抵抗も強く、上げ幅は希望の10%の半分程度にとどまった。その後、市況はほぼ維持されており、今期を表現すれば『曇り』模様か。ただ、前期央に始まった原燃料高は、むしろ通期化する今期のほうが負担が重い。大手の日本製紙、王子製紙には年百数十億円の減益要因となる見通しで、「秋口に何か(再値上げの表明が)あるのでは」(日本紙パルプ商事の松谷克社長)との見方も浮上している。

●今後の注目点
 印刷用紙の値上げが前期、曲がりなりにも通ったのは、景気回復で需給が引き締まったから。しかし今期は中国で最新鋭の製紙マシンが相次いで運転を始め、その余剰分が日本に安い値段で流入する可能性が指摘されている。このため「再値上げは実際は困難」との観測が優勢だ。中国の新マシンは年内は試運転の段階といえようが、本格稼働する2006年に入ると、天気がグズつく恐れは否定できない。北京五輪や上海万博に向けて中国国内の消費が盛り上がれば新マシンの増産分を消化できそうだが、いずれにせよ、紙パ産業は外部環境の動向に振られる度合いが高まっており、従来の内需型産業からの脱皮を迫られている。
【内田史信記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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