首脳会談があっても米中新冷戦は不可避。上海協力機構は反米陣営へと変質している。

バリ島での両首脳。両国とも融和の雰囲気を演出した(写真:新華社/ アフロ)
いつもはむっつりとした表情の習近平・国家主席が破顔し、バイデン米大統領と握手を交わした。11月14日、インドネシア・バリ島で開かれたG20サミットで、両首脳がパンデミック後初の対面会談を行ったのだ。中国メディアは旧友再会のようなこの場面を大きく報じ、米中関係の雪解けを中国国民に印象づけた。
約3時間に及ぶ会談は、双方が内政上の重要課題を乗り越えた後に実施された。報道によれば、話し合いは台湾問題では平行線だったが、意見の不一致をマネージし、気候変動や食料安全保障などの問題で協力していくことが合意された。王毅・国務委員は会談後、習主席が21世紀の世界は冷戦の轍を踏むべきではないと発言したと紹介している。
米中関係への不安が後退し、翌日から香港株は上昇した。だが、これによって米中関係の雪解けはどの程度進んだのだろう。筆者には、新冷戦の可能性はほとんど遠のいていないように思える。
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