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政治・経済・投資 #創造的破壊の力

日本で創造的破壊を生むために政府にできること シュンペーター理論は経済政策の指針となる

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一国の経済が成長し技術の最前線に近づくほど、イノベーションが技術の模倣に代わって成長の原動力となる。

その結果、一部の国は高度成長を維持できなくなり、1人当たりGDPは先進国の水準に届かない。

■クリーンな技術の導入と「経路依存性」

第2は、イノベーションと環境の問題である。

既存企業の問題点は、イノベーターの新規参入を阻もうとすることだけではない。そもそも彼らは技術の革新や進歩に関して保守的である。

ガソリンエンジンで過去に成功を収めた自動車メーカーは、その後もガソリンエンジンの改良にこだわる傾向がある。何と言ってもそこが得意分野だからだ。

このため、自発的に電気自動車の開発に向かおうとしない。こうした傾向を「経路依存性」と呼ぶ。政府はさまざまな手段を使って介入し、企業にクリーンな技術のイノベーションを促す必要がある。

国際競争と市民社会の力

イノベーションと創造的破壊を活性化することで政府が期待されている役割を果たすことができるのはなぜか。

政府がイノベーション企業の新規参入を促し既存企業による腐敗やロビー活動を規制するのはなぜか。権力濫用を防ぐ制度やチェック機能を国家が備えているのはなぜか。

本書ではこれらの疑問に答えたいが、その際、国際競争と市民社会の力(これはマルクスが「生産諸力」と呼んだ要素に近い)に注目する。

この2つの力は、政府に公共の利益の追求を迫る。私が資本主義の未来についてシュンペーターより楽観的なのは、この点を考慮するからだ。

国際競争と市民社会は市場経済に絶えず改善を迫ると同時に規制を要求する。だから、よりクリーンでより包摂的な成長の実現に楽観的になることができる。

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