ロードスター「7年目で過去イチ」売れている理由 市場の追い風+改良タイミングで年1万台達成
BRZが2021年7月、GR86が2021年10月、フェアレディZが2022年夏に発売されたから、である。GRスープラの発売は、その2年前となる2019年5月だが、2020年前後より新型車が続々と投入された結果、国内スポーツカー市場が活況を呈しているのだ。
そのため、ロードスターは販売台数を見れば伸びているが、スポーツカー市場におけるシェアは、2021年の31.2%から2022年の30.2%に落としている。それだけ“スポーツカー全体が売れている”ということだ。
スポーツカー人気の理由は、ほかにも考えられる。コロナ禍で自動車移動への需要が高まり、また、趣味にお金をかける傾向も見られるようになったことだ。
また、進みゆく「EVシフト」の反動として「エンジン車のスポーツカーは、これで終わりかもしれない」と思う人も多かっただろう。こうしたスポーツカーへの追い風が、ロードスターの販売に大きく貢献しているのは間違いない。
ターニングポイントは2019年
次に2つ目の理由、「マツダの努力」だ。マツダは、商品改良を毎年のように行っている。ロードスターも同様で、2015年に現行型を発売したあと、2016年にリトラクタブルハードトップの「ロードスターRF」を追加。
2017年にはクラシックレッドの復刻カラーモデルを限定で発売し、商品改良も実施。翌2018年も商品改良を行い、衝突被害軽減自動ブレーキを全車で標準装備とした。
2019年には、「ロードスター30周年記念車」を発売。また、2019年、2020年、2021年と毎年、商品改良を行うのが通例となっている。2021年暮れの商品改良時には、車重990kgの軽さを売りにした「990S」も追加。ほぼ、毎年のように、何かしらの新しい話題を提供し続けてきたのだ。
2021年暮れの商品改良は、現行ロードスターにとって重要なターニングポイントと言えるだろう。話題となったのは990Sの投入だが、走りを支える新技術KPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)の全グレード採用も、ポイントだ。
KPCとは、ブレーキ制御によりサスペンションのジオメトリーの特性を利用して、スタビライザーと同じ効果を発生させる機能である。実質、重量増なしで、コーナーリングの安定性がアップする技術だ。
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