手取り24万、4年で2000万貯めた会社員の給料観 「給与は下がる」前提だと、不景気に備えられる

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身軽に生きる方法③当たり前の基準を上げない

身軽に生きる方法の三つ目が、「支出の水準は一度上げてしまうと、戻すのは何倍も難しい」のを、理解することです。

お金を使うのは簡単です。欲望の開放なので非常に気持ちいいですから。

しかし、支出の水準が上がってしまうと、そう簡単には戻せなくなります。行動経済学ではこれを「ラチェット効果」といって、個人の所得水準が低下しても、消費支出は一定の歯止めがかかり、所得水準と同程度には低下しないのです。

要するに、「所得が減ったからといって急に生活水準を変えることは難しい」ということ。収入が低くなっても、人は今までどおりの消費行動を取るので、貯蓄を切り崩してまでも自分の生活レベルを維持してしまうものなのです。

これは自分自身、思い当たる節があります。当たり前の基準が上がるのは本当に危険なことです。多くの人は収入が減少した際に対応できなくて、借金を始めたり、家計が壊れていったりします。

その状況を抜け出し、跳ね返すには、相当強靭な意思と強い覚悟が必要になります。多くの人がダイエットで失敗したり、リバウンドしてしまうのも少し似ていて、そこに強靭な意思がないと続かなかったり失敗してしまうわけです。

だから、そのように苦しい状況に陥ってから、さらに苦労して打ち克つのではなく、最初からお金を極力使わない生活をすることを私はオススメします。太らないために、そもそも食べ過ぎることを覚えなければいいように、最初から生活費を上げなければ、まったく問題ないわけです。

身軽に生きる方法④生活レベルは「学生時代のまま」

私が身軽に生きる方法として実践している4つ目が、今の収入は続かないと自覚することです。不景気は必ず来ます。だからこそ、正面衝突する前にしっかりと事前準備をして、軽症でいられるようにするのが望ましいのです。

多くの人は、今の給料が続くか上がる、会社は滅多なことでは倒産しないと思っているかもしれませんが、1年後の未来さえも誰にもわかりません。

年収100万円を維持するのは簡単ですが、年収2000万円を維持するのは並大抵のことではないですし、同じ労力ではありません。年収が高くなればなるほど、求められる結果は非常にシビアですし、大変だと思います。

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