「デザートX」に乗って感じたドゥカティの本気 パリダカを連想させるデザインと新技術の融合

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ライディングモード
メーターに表示されたライディングモード(東洋経済オンライン編集部撮影)

デザートXでは、エンジンパワーモードを「Full」「High」「Medium」「Low」の4段階から選択可能。さらにライディングモードは、「ラリー」「エンデューロ」「ウエット」「ツーリング」「アーバン」「スポーツ」の6種類から選べる。この中でアーバン、ツーリング、ウエットには、デフォルトで最適化されたマッピング+ABS等の制御があらかじめセットされている。一方でラリー、エンデューロ、スポーツは、ライダーの好みに合わせてセット変更可能となっており、走りに自信のあるライダーでも最高のマシンセッティングを追求できるだろう。トラクションコントロールは、オフと1〜8レベルでの調整が可能だ。

リヤサスペンション
カヤバ製のリヤサスペンション(東洋経済オンライン編集部撮影)

前後に装着された日本のカヤバが供給するサスペンションは、ドゥカティ史上最大ストロークのフロント230mm、リヤで220mmとなり、ホイールトラベルを確保している。よほどのハードエンデューロコースでない限り、エンジンパワーと電子制御技術にも助けられ申し分ない走りを実現してくれる。このあたりの部品も実績あるチョイスで好感が持てる。

コンセプトは「ポスト・ヘリテージ&デジタル」

試乗シーン
筆者による試乗シーン(東洋経済オンライン編集部撮影)

デザートXでは、「ポスト・ヘリテージ&デジタル」というコンセプトが掲げられている。パリダカを駆けたマシンのデザインと、現代的なデジタルの融合。ドゥカティが提案するオフロードマシンは、最新のエンジンテクノロジーと長い経験で培われたシャーシ性能に加え、1980年代のラリーマシンをも連想させる秀逸なデザインですでに世界中で大反響となっている。

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そこには、オフロード走行だけではないオールラウンダーとしての性能をしっかりと表現した技術力で、多くのツーリストにも支持を得られているのだろう。国内需要でも、ビックネイキッドマシンやスーパースポーツマシンから、アドベンチャーモデルへの乗り換えが多いと聞く。いつまでも冒険心を忘れぬライダーへ、ドゥカティからのビッグプレゼントだ。

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宮城 光 モータージャーナリスト

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みやぎ ひかる / Hikaru Miyagi

1962年生まれ。1982年鈴鹿サンデーオートバイレースに於いてデビュー3位。直後にモリワキレーシングと契約、1983年鈴鹿4耐で優勝、同年全日本F3クラスとGP250クラスに於いてチャンピオン獲得。1984年全日本F3クラス、F1クラスチャンピオン獲得。1988年HondaのHRCと国内最高峰GP500ccライダーとして契約。1993年より活動の場をアメリカに移し、全米選手権でチャンピオンになるなど、日本だけでなく海外でも活躍。1998年からは国内4輪レースでもその才能を発揮し、翌年の「4輪スーパー耐久シリーズ」ではチャンピオンを獲得する。また、世界耐久選手権シリーズ・鈴鹿8時間耐久ロードレースでは2003年より5年間ホンダドリームレーシングの監督を務めた経験ももつ。2016年には米国ボンネヴィルにおいて4輪車の世界最高速度記録を達成、世界記録保持者。開発車両ではTeam無限のマン島TT参戦車両・2輪電動マシン「神電」の初期からの開発ライダーを担当し2018年時点で5連勝中、2019年もチャレンジする。一方では、警視庁及び企業向け交通安全講話やライディング&ドライビング講師、専門学校講師などのほかに、 日本テレビのMotoGP解説者や雑誌などのメディアでレースやバイクの解説を務めるなど、多方面で活躍中。ホンダ・コレクションホールではホンダ歴代の2輪4輪グランプリマシンの維持管理テストレーサーを務める。無類のラジコン好き。

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