岸井ゆきの、売れても「等身大の自分」求める理由 仕事を居場所にしたくない、戻る場所は別にある
岸井:そうですね。見ていると、どうして日和の機嫌が悪くなっているかがちゃんとわかるから、なるほどって思うはず。女性だって、ただ機嫌悪いわけじゃないんだよって(笑)。
樋口:そうそう、イライラされても理由がわからないから八つ当たり期かな? って思っちゃうんです(笑)。女性の中ではちゃんと筋道立てて理屈があるのに、男性からするといきなりなんだよ? って訳がわからない。サインをバンバン出されているのに全然気づかないんです。
岸井:だから日和は、もっと裕次郎に言ってあげたらよかったのになって思います。
樋口:そうですよね。岸井さんは「機嫌悪い」って伝えられる人ですからね(笑)。
岸井:はい(笑)。
「とりあえず『旦那デスノート』は書かないだろうと思います(笑)」(岸井)
樋口:7月に発売された岸井さんの初フォトエッセイ『余白』、読ませていただきました。すごく面白かったです。先ほどもご両親のお話が出ましたが、とても愛情深いおウチで育ったんだなと感じました。
岸井:そうですね。母が父のこと愚痴るのは本気じゃないというか、私が聞いてあげられれば、済むような程度の愚痴なんです。「私が買ったのにありがとうって言ってくれなかった」とか、くだらないようなことでも小出しにしているから、大丈夫なんだなって。
樋口:ゆきのさんが、ガス抜きの存在になっているんですね(笑)。岸井さんはお父さんに「お母さんがこう言ってたよ!」って伝えたりはしなかった?
岸井:本当に父が悪いと思った時は「ちゃんと謝ったら」って言ってました。
樋口:いい娘ですね! 息子は、基本「お母さん怒ってたぞ」とか、父親には言わないですからね。「はいはい」、で終わり。それにしても夫婦の予習というか、リハーサル的なものが家族の中にあったんですね。
岸井:見てきたものの中に、なんとなくあったなって感じはします。
樋口:今後、自分ならこうしようとか、考えたりしますか?
岸井:そうですね、とりあえず「旦那デスノート」は書かないだろうと思います(笑)。
樋口:アハハ! バレそうですよね。