和歌山電鉄から学ぶ「ローカル鉄道」再生の秘訣 両備ホールディングス小嶋会長インタビュー

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全国から観光客を集める和歌山電鉄の「たま電車」(写真:sho/PIXTA)

両備グループの代表を務める小嶋光信氏は、利用者の低迷から南海電鉄が運営を断念した貴志川線を再生するなど、地方公共交通の再建請負人として知られた存在だ。地方鉄道会社における観光列車戦略はどうあるべきか、小嶋氏に聞いた。

観光列車には2種類ある

――そもそも小嶋氏が考える観光列車とはどういうものなのでしょうか。

観光列車は大きく2つに分けられる。1つは地域住民の利用がベースとなっている列車、もう1つは観光客が乗客となっている列車だ。

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前者は地域住民の生活交通をベースにしながら観光客にも喜んでもらえるような内外装にした列車だ。後者は観光地へ行くための手段として利用する列車と乗ること自体を観光の目的とした観光専用列車の2種類に細分化される。

観光地へ行くための列車は世界各国にあるが、乗ることを観光の目的とする列車は日本にしかなく、沿線の地域開発を行い、物販やおもてなしなどを行うという新しいビジネスモデルでニッチな分野だ。

――再建を手掛けた和歌山電鉄の「たま電車」など、リニューアル電車はいかがでしょうか。

こうした電車も地域住民の生活交通をベースとした観光列車だと言える。和歌山電鉄を再生する際、地域住民の認知度が低かったことから、まず楽しい派手な電車で「知ってもらう」、次に「乗ってもらう」、そして沿線に「住んでもらう」というホップ・ステップ・ジャンプの戦略で考え出した。

電車のデザインは水戸岡鋭治氏にお願いをし、第1弾として2006年8月に沿線の特産品であるイチゴをモチーフにした「いちご電車」が登場したことで人気が出始めた。その後「たま電車」や「おもちゃ電車」などが登場している。

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