ウクライナから予測できる近未来の「台湾有事」 日本が「戦場」になる日ははたして来るのか?

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麻生太郎自民党副総裁は8月31日、派閥の会合でこう発言しました。

「少なくとも沖縄、与那国島、与論島にしても、台湾でドンパチ始まるとなったら、それらの地域も戦闘区域外とは言い切れない……戦争が起こる可能性は、十分に考えられる」

はたして、「台湾有事」は起こるのか? 日本はこれに巻き込まれるのか?

その場合、どういうシナリオが考えられるのか?

私は軍事の専門家ではありませんので、世界史的文脈から、ウクライナ戦争と台湾有事の関連性を考えてみましょう。

プーチンが紡ぎ出すロシア独自の「世界線」

戦争とは、一つの主権国家が、別の主権国家を軍事攻撃する行為です。

ところがプーチンは、今回のウクライナ侵攻を戦争とは認めず、「特別軍事作戦」と呼んできました。つまり、ウクライナを独立主権国家と見なしていないのです。この驚天動地の「世界線」について、プーチンは2021年、自身の名前で発表した論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」で、次のように説明しています。

① ロシアとベラルーシ、ウクライナは歴史的に一体であり、現在のウクライナを中心とするキエフ公国(キエフ・ルーシ)の伝統とロシア正教会への信仰が、結束の母体であった。
② 13世紀のモンゴルの侵攻、14世紀のリトアニア・ポーランドの侵攻を受け、この一体性は破壊された。ポーランド領がウクライナとなり、モンゴル領に留まった部分がモスクワ大公国(のちのロシア帝国)となった。
③ウクライナの武装集団コサックが、対ポーランド独立運動を開始したとき、ロシアはこれを支援し、ポーランド軍を駆逐した。こうして両国は、双方の合意のもとに統合された。
④ ロシア革命で帝国が崩壊すると、外国勢力(英・仏)の支援を受けたウクライナはいったん独立したが、赤軍の勝利によりソヴィエト連邦のメンバーとなった。
⑤ ソ連崩壊により、ウクライナはロシアから分離された。ウクライナ民族主義者は歴史を書き換え、ロシアがウクライナで圧政を敷いてきたと主張しはじめた。
⑥ 外国勢力(アメリカ)の支援を受けたウクライナ民族主義者は、2014年のマイダン革命により反ロシア政権を樹立し、ロシア系住民への迫害をはじめた。
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