スマホに没入するわが子を引き戻す合理的な方法 理性に頼らず、「仕組み」と「気づき」で対応する

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子どもに腹落ちさせるためにも、実際に“痛い思い”をさせることも時には必要かもしれません。大人は子どもに失敗をさせたくないという気持ちがあるでしょうが、子どもたちは失敗の中から学ぶことが多いものです。

たとえば、スマホをやりすぎて夜更かしをしてしまった結果、翌日になかなか起きられず、授業中も眠気で集中ができなかった……など、悪い影響を体験することで、子ども自身が「やっぱり生活リズムを崩さないほうがいいんだ」「リズムを崩すと立て直すのが大変だ」という実感が湧くことでしょう。

また、“宿題をやらずに遊んだとき”と“宿題を済ませてから遊んだとき”の気持ちを比べて、「やっぱりやることを終わらせてから遊んだほうが楽しい」と子ども自身が実感することも大事です。そういった経験と感覚を少しずつ積み上げることで、子ども自身もスマホとの付き合い方について考えるようになります

「ついスマホ」のクセを断ち切る

つい、手持ち無沙汰な時間に無意識にスマホを手に取ってしまう、宿題をやらなければいけないのにやる気が出なくてスマホに逃避してしまう、というパターンが習慣づいてしまっている子もいるかもしれません。

そんなときには、「体を動かしてみる」ことも意外に効果があります。「ヒマだな」「スマホを触りたい」と思ったら、伸びをするとか、肩を回すとか、とりあえず体を動かしてみる。それを常に意識することで、“ついスマホ”の回路を断ち切って“体を動かす”という新しい習慣に置き換えるのです。

また、体を動かすことで、行動力の源になるドーパミンが出るため、その勢いで宿題などに取り掛かってしまいましょう。実は、テンションはこのようなちょっとした運動で簡単に上げることができるのです。簡単に上げられるぶん、下がるのも早いのですが、「やらなければいけないことがあるのに気乗りしない」といったとき、一時的に気分を高揚させ、行動に初速をつけるのに有効です。

最も簡単にドーパミンを出し、テンションを上げる方法は、「エイ・エイ・オー!」などと叫びながら拳を突き上げること。戦国時代の合戦でも行われていた方法です。この方法は、学校や図書館といった場所では難しいでしょうから、次のようにほんの少し体を動かすだけでもOKです。

・背伸びをする
・座り直して姿勢をよくする
・肩を回す
・爪先立ちをする
・その場で軽くジャンプする
・自分の体の一部分をたたく(頬、肩、腕、太腿など)

まわりに人がおらず、ある程度のスペースを確保できるのなら、30秒間高速で腿上げをするのもいいでしょう。なんとなく気乗りしないときは、スマホに手を伸ばしたり無理して気合いを入れるのではなく、ちょっと体を動かしてみる。これを習慣にするだけでも、行動力が大きく変わってきます。

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