米国株が下落するなら日本株を買うチャンスだ 日経平均株価の年内の戻りはいくらになるのか

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アメリカの株価は今後も大きく変動しそうだ。冷静に見極めたい(写真:ブルームバーグ)

私は前回の記事「日経平均は8月が『戻りの限界』になる懸念がある」(8月18日配信)の中で、「日経平均株価は2022年内に3万円までは届かないかもしれない」と予測した。

8月中旬以降の株価下落は「想定通り」

経緯を含む結果はどうだったか。このときの要旨を述べつつ、足元の相場までを検証してみたい。

私は、8月に入って株価が急騰した際、「あくまで弱気(ベア)相場のリバウンド(短期的な反発)にすぎない」とみて、夏のラリー(上昇相場)は6月中旬からの約2カ月の上昇で終わり「下落するタイミングが近づいているようにみえる」とした。

そして「今後のアメリカ市場は9月20~21日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)での利上げ継続・金融引き締め(QT)本格化を意識する」とみて、「ズバリ株価下落に転ずる」と予想。日本株も「アメリカ株下落の影響は免れず、いったんは下落に転じる」とした。

足元(9月18日現在)では、上述したような展開となっている。日経平均株価はいったん9月7日に安値2万7268円をつけてから自律反発したものの、株価は再度急落している。

今後のポイントは、少なくとも「今週もさらに下落するかどうか」だ。改めて、これまでの流れを確認するため、日経平均株価で振り返ってみよう。

日経平均株価は6月20日の安値2万5520円から、アメリカのインフレ懸念後退などにより上昇に転じた。その後、8月10日に発表された7月のCPI(消費者物価指数)を受けて、インフレ懸念後退の期待がさらに高まった。海外投資家による先物の買い戻し(短期資金)というテクニカルリバウンドで株価は急騰した。だが、需給が落ち着くと、予想どおり、8月17日の高値2万9222円でピークをつけた(6月20日安値からは3702円上昇)。

この後、下落に転じたきっかけは同月25~27日に開催されたジャクソンホール会合だ。同会合におけるジェローム・パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長のタカ派発言直後から、下げに拍車がかかった。

私はパウエル議長の発言は特にぶれておらず、依然中立的だとみている。だが、このときは大きく楽観に傾いていた「勝手ハト派」の株式市場関係者には、パウエル発言や欧州中銀幹部の発言などが「タカ派」に映ったようだ。結局、欧米市場を中心に株価は急落。日経平均株価も9月7日の安値2万7268円までいったん大幅に下落した。

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