引退・消滅の危機、必ず後世に残すべき車両16選 人気車両ではなく鉄道史的な観点から選んだ

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以上、解体するには惜しい車両を取り上げてみた。実際には車両の保存には高いハードルがあり、その維持にも相当な手間がかかるのも事実だ。1962年に登場した山陽電気鉄道2000系2012編成が日本国内で本格的なアルミ車両だったように、私鉄の車両にも保存するにふさわしい車両も数多くあるのだが、JRの車両以上にハードルが高く、保存を許さずに早々に解体している会社もある。

そもそもの話、鉄道車両を整備するプロである鉄道会社が車両を引退させるということは、プロであっても維持が難しいということだ。鉄道会社は車両を動かして商売をしているわけで、動かなくなった車両を維持する意味はない。

日本の気候は屋外保存に向かない

めでたく保存されたとしても、日本の温暖湿潤な気候は屋外での保存に向いていない。空き家がどんどん傷んでしまうように、金属で造られた鉄道車両は瞬く間に錆びてしまう。

保存車両の維持ではプロである博物館でさえ難儀しており、資金や労力の問題で手入れが行き届かない。仮に資金やノウハウがあったとしても、個人で保存するには手がかかりすぎ、保存を手掛けた本人が亡くなると、遺族に大きな負担がかかることになる。保存会や博物館のように組織で保存車両を維持するのが妥当だが、組織そのものを維持するのも大変なことだ。

あれほどのブームがあって全国各地で保存された蒸気機関車は、その価値が忘れられたうえ、老朽化して解体の憂き目に遭っている。維持が難しいことを示す一つの例だろう。

最近ではクラウドファンディングで保存資金を集めることが可能となり、状況が変化している。だが、お金が集まるのは人気の高い車両ばかりになりがちで、後世に残すべき車両とは少し違うのかもしれない。

柴田 東吾 鉄道趣味ライター

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しばた とうご / Tougo Shibata

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR・私鉄路線は一通り踏破したが、2019年に沖縄モノレール「ゆいレール」が延伸して返上、現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。『Rail Magazine』(ネコ・パブリッシング)や『鉄道ジャーナル』など、寄稿多数。

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