国全体で追悼する「エリザベス女王国葬」の凄み 19日までは一般市民も直接お別れができる

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ロンドンのウェストミンスター寺院、セント・ポール大聖堂、ウィンザー城では追悼の鐘が鳴らされ、ハイドパークでは96発の礼砲が撃たれた。96発とは女王の享年が96歳であったことを意味する。また、セント・ポール大聖堂ではトラス首相や政府閣僚らが出席するミサが行われ、これもテレビで生放送された。

10日には、国王に助言を行う枢密院、上院議員、政治家などで構成される「即位委員会」が王室の正式な居城となるセント・ジェームズ宮殿で会議を行い、新君主がチャールズ3世であることを正式に宣言。セント・ジェームズ宮殿や、ウインザー城など複数の場所で追悼帳が準備される。

チャールズ国王
10日、献花などに訪れた人々にあいさつをするチャールズ3世国王(写真:Bloomberg)

11日、女王の棺がバルモラル城からスコットランドの首都エディンバラまで車で運ばれた。12日、エディンバラのセント・ジャイルズ大聖堂で王室関係者が出席する通夜の儀式が行われる。一方、チャールズ国王は自治政府があるウェールズ、北アイルランドを訪問予定だ。

13日、女王の棺が飛行機でロンドンまで運ばれ、バッキンガム宮殿に安置され、14日、あるいは15日から遺体の一般公開が始まる。棺は議会があるウェストミンスター宮殿のウェストミンスターホールに置かれる。何万人もの人々が飾り台を載せる棺の前を通り過ぎながら、敬意を表する。棺の上には女王がかぶっていた王冠が置かれるという。王室のメンバーも足を運ぶ予定だ。

埋葬の儀式も中継される予定

女王の国葬は、19日午前11時からウェストミンスター寺院で行われる。この日は休日となる。寺院は約2000人が収容でき、世界中からやってくる政治家や王室関係者が出席すると言われている。

ウエストミンスター寺院
ウェストミンスター寺院(写真:Risa/PIXTA)

エリザベス女王在位中には、イギリスでは15人が首相を務めたが、そのうち存命の首相経験者が参列するとみられるほか、日本からは天皇陛下が、アメリカからはジョー・バイデン大統領が参列する意向を示しているとされる。

この後、棺はウィンザー城のセント・ジョージ礼拝所まで運ばれ、埋葬儀式が行われるが、これも中継予定だ。王室のメンバーだけの私的儀式がこれに続く。

女王の遺体は最終的に父親の名前が付いたジョージ6世記念礼拝堂に埋葬される。ここには両親も埋葬され、妹のマーガレット王女の遺体の灰も埋葬されている。

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