【健康診断】血圧、血糖、脂質のボーダーライン値 適切に健康診断を受けるためのポイントも紹介

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続いて血糖値。血糖値も侮れない。

糖尿病の診断基準では、空腹時血糖が126mg/dl、 過去1~2カ月の平均血糖値を表すHbA1cが6.5%以上で糖尿病の疑いが大。空腹時血糖100~125mg/dl、HbA1c5.6~6.4%は予備群だ。

②特定健診の必須項目:高血糖

「HbA1cが予備軍の範囲に入っている人は、特に注意。空腹時血糖は正常でも食後急激に血糖が上昇して、すぐ下降するいわゆる『血糖値スパイク』や、食後高血糖(食後2時間時点でも血糖値が140mg/dl以上の高い状態が続く)を起こしている可能性がかなり高い」(今野さん)

今野さんらの疫学研究では食後8時間以内の血糖値が高い人は予備群レベルでも、そうでない人に比べ、脳卒中や心筋梗塞を発症するリスクが高かったという。

「ここ数年、予備群の状態が続いている人は、可能であれば、医療機関にかかり、定期的に検査を受けたり、食事指導を受けたりすることをおすすめします」(今野さん)

なお、血糖値スパイクや食後高血糖を抑えるには早食いや欠食、まとめ食い(ドカ食い)、炭水化物の重ね食べ(例えば、ご飯とお好み焼き、ご飯とうどんなど)を控えることがポイントだという。

血糖値のポイント:HbA1c5.6~6.4%(予備群)が続いたら要注意。食後高血糖により脳卒中や心筋梗塞を発症リスク大

体に必要だが多すぎは問題の脂質

最後は脂質。高いと心筋梗塞のリスクになる一方、脂質は血管の壁や胆汁酸、ホルモンの原料となる、体に必須の脂質なので低すぎるのもよくない。

特定健診では総コレステロールの項目はなく、いわゆる悪玉のLDLコレステロールと善玉のHDLコレステロールの数値が表示される。

③特定健診の必須項目:血中脂質異常

LDLコレステロールの基準範囲は60~119mg/dl(120~139mg/dlで要注意、140mg/dl以上で要受診)、HDLコレステロールの基準範囲は40mg/dl以上(35~39mg/dlで要注意。ただし、極端に高い人については、本当にいいのか議論になっている)。

いずれも要注意や要受診と出たら、改善に努めるべきだ。根本的に大切なのは生活習慣の改善だという。

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