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「この人、面倒くさい」と思われない正論の話し方 その場の空気に流されない伝え方のポイント

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  • 藤井 聡 京都大学大学院工学研究科教授
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1つは相手を「納得させる方法」です。まさに先ほどの「正論」によって、相手を納得させることで動かすという方法です。

もう1つが「騙す方法」です。政治家も評論家も、いわゆるオピニオンリーダーのように目されている人も、庶民を騙して先生面をしている人間はたくさんいます。

なぜなら、口の巧い人間にとって、「騙し」はある意味とてもラクだからです。論理をすり替えたり、話を盛ったりすることで相手を騙し、その気にさせるのです。あるいは都合のいい情報だけ出して、都合の悪い情報はあえて見せないという手もあります。これはお役所がよくやる手口です。

目先の利益を考えるなら、人を騙すことが一番簡単な方法でしょう。人の財布を盗めば手っ取り早くお金を得ることができます。それと同じで、人を動かしたいという気持ちが強く、口が達者な人は、得てして人を騙す方に行ってしまいがちです。

最初は少し盛るくらいだったのが、それを繰り返すうちにだんだん大胆に嘘をつくようになってしまう。そして最後に嘘がバレて化けの皮がはがされてしまうと、取り返しがつかないほど信用を失うことになります。

ところが例外的に、嘘がバレても潰されない人たちがいます。それが権力者です。私が参与を務めた安倍内閣でも、後半は安倍一強のようになっていました。そして森友・加計問題にしても、桜の会の問題にしても疑惑があれだけ出たけれど、結局安倍さん自体は潰されることはありませんでした。

財務省という巨大な組織も同じです。忖度や文書改ざんがありながら、組織としてはとくに大きなダメージを被ることはありませんでした。結局、一番立場の弱い財務局の窓口担当者であった赤木敏夫さんが自殺し、それより上の立場にはとくに責任問題などは追及されないままで終わりました。

嘘つきばかりの世の中が嫌

残念ながら、日本という国は先進国でありながら、権力さえ持っていればどれだけ嘘を言っても追及されることがない国になってしまった観があります。いまやこの国では、無理が通って道理が引っ込み、嘘がまかり通っています。とことんまで腐敗が進んでいるのです。

私がことさらに「正論」を声高に叫ぶのも、このような社会を、どうにか正していきたいという思いがあるからです。嘘つきばかりのいまの世の中が、嫌で嫌で仕方がないのです。じつは、このような強い思いは、私の理性による判断というより、私自身の子どもの頃の原体験から来ているものです。

子どもの頃、私は自分の周りにいる大人たちが嘘ばかり言っていることに対して(といっても多くの場合、それが嘘であると本人すら気がつかないほどの微妙な嘘だったのですが)、いつも嫌な思いをさせられていました。

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だから嘘をついている人間がしゃあしゃあとしていたり、偉そうにしていたりするのが許せないという現在の私の感覚は、子どもの頃の私の感覚そのものであり、私自身の奥深くから出てくる声でもあります。

私は少なくとも自分だけは微妙なものも含めて嘘をついて他者を騙したり、動かそうとしたりはしないと思い続けてきました。私が申し上げている正論とは、簡単に言えば単なる理屈や論理を超えたものだということです。それは体の奥底から響く、一種の「叫び」のようなものと言えるでしょうか。

ひょっとすると、そうしたものであるからこそ、私の正論には「血」と呼ぶべきものが通い、他者に訴えかけることが可能となっているのかもしれません。

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