東京マラソンで中年オヤジがつかんだもの 「走ること」はこんなにも素晴らしい!

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江上さんのシューズ

――ランニングフォームには、気をつけていらっしゃいますか?

江上:そんなの関係ないですよ。自分はきれいなフォームじゃないと思う。僕が一生懸命にヒイヒイ走っている脇を、足をひきずるようなフォームで年上のじいさんが抜かしていく(笑)。だからフォームは気にしていない。

辰濃さんのシューズ。手前がトレイルラン用、奥は平地用

辰濃:僕もフォームなんか気にしたことありません。だからいくら経っても速くならないのかもしれません。スピード練習も勧められるんですが、本格的なものはやっていません。

江上:フォームを気にするより、大会でゴールしたときにタイムを見て、練習が足りなければ記録もよくないから、もっと練習しようとか、そんなことを考える。マラソンはね、自分とのたたかいなんですよね。練習をするかしないかも自分とのたたかい。周りと競っているわけでない。あれは不思議なゲームです。

まずは外に出て、一歩踏み出してみる

――最後にこれまで走ったことのない人、走るのをあきらめてしまった人に、メッセージをもらえますか。

江上:今の季節だと朝6時半くらいに明るくなってきますよね。その時間に走ると、何と気持ちのいいことか。まず外に出て、一歩踏み出して走ることを勧めますね。朝は格別です。前日に会社でおもしろくないことがあっても、朝に走れば、忘れますよ。

辰濃:僕は夜型なので(笑)。夜は夜でよくて、たとえば皇居の近く、中央区や千代田区に勤務先があるならば、仕事が終わった後に、「ランピット」(ランナーのための有料の施設、ロッカーやシャワールームがある)に寄って荷物を預けて、皇居の周りを走ってみる。歩くんじゃなくて、ゆっくりでいいから走ってみる。そうすれば発見がある。それが向かないと思えば、たぶん走ることは好きになれないと思います。

江上:一歩踏み出したら間違いなく、世界は変わると思います。人と競うのではなく、自分の内面が変わっていく。それにアイデアとか考えていることがどんどん整理されてくるし、これは希有な体験ですと、強調しておきます。

(撮影:今井 康一)

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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