グーグルグラスはムダなプロジェクトなのか 鳴り物入り新製品は個人向け販売中止に

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となれば、投資家たちに残された道は予測しかない。

2年前、アナリストたちはグーグルグラスの売り上げは2018年までに30~110億ドルになると予測した。グーグルの自動運転車開発プロジェクトは、技術的かつ規制面での大きな壁にぶつかっているが、パイパー・ジャフレーのアナリスト、ジーン・マンスターは2000億ドル規模のビジネスチャンスがあると述べた。

「こうした数字はあくまでも推測の域を出ない」とマンスターは言う。「具体的なものに基づいてはいるが、その上には不確定要素もある」

独り勝ちでも、減速気味の広告事業

グーグルのビジネスの柱である広告事業(全売り上げの90%を占める)が絶好調であれば、不確定要素があったところで不問に付されただろう。だがその成長は、現在も前年比20%程度のペースではあるものの減速している。

同社はパソコンを使ったネット検索では独り勝ちしているが、その地位も携帯電話によるネット利用が広がるなかで揺らぎつつある。携帯電話の小さな画面は、広告スペースとして売ってもあまり儲けにならないのだ。

こうした中、ウォール街の人々も、グーグルの実用化されないかもしれない製品について夢のような予測を立てるのをやめ、経費と利幅といった地味な問題に目を向けるようになってきた。

同社の研究開発費は昨年、総売り上げの12%を占めるまでに増加した。これは2004年の上場以降、もっとも高い割合だ。

カリフォルニア州マウンテンビューにある本社から数百メートル離れたレンガ造りの建物がグーグルXの研究所だ。研究の対象となっているのはいずれも商用化まで5~10年はかかるという技術ばかりだ。

グーグルXの責任者であるアストロ・テラーの名刺には「月探査ロケット船長」との肩書きがついている。彼は博学なコンピュータ科学者で、小説家という顔ももつほか、ヘッジファンドの経営に手を染めたこともある。

テラーは取材に対し、グーグルXの責任とは、ベンチャーキャピタリストが新興企業に出資する際にいだくような夢を実現するとともに、金銭的な結果を出すことだと述べた。「リスクはいくらでもあるから、非常に大きなリターンを出す責務がある」

グーグルXのプロジェクトで最も有名なのはグーグルグラスと自動運転車だが、ほかにも凧を使った風力発電やドローン(無人飛行機)を使った荷物の配送といったさまざまな研究プロジェクトが進んでいる。南半球の各地で成層圏の高さまで気球を上げ、無線技術を使ってインターネットへの接続環境を人々に提供するというものもある。

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