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日本のテレビ局の女子アナだけに起きている異常 「ジェンダー問題」と「男性優位社会」を象徴する

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  • 吉川 圭三 KADOKAWA映像企画制作部・プロデューサー、dwangoモバイル事業本部エグゼクティブプロデューサー
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そして今やアメリカ史上最高のトーク司会者とされるアフリカ系アメリカ人のオプラ・ウィンフリーは、この「スタートレック」のニコルを幼い頃に見て、「自分もいつかテレビに出れるかもしれない」と思った、というのだ。女性の仕事を限定し、多くの人種が共存しない社会は、いまや「遅れている」のだ。

もちろん異論を唱える人はいるかもしれないが現在、日本の民放テレビは“美人でアイドルのようなルックスの女子アナ”が大半を占めているように私は感じているし、一般的にもそのように見えている人は少なくないだろう。テレビを見ている女子小中高生は「テレビに出て思いっきり色んな活躍をしてみたいけれど、やっぱり容姿が問われるのだろうか? ダメだったらYouTuberにでもなるか?」などと、溜息をつきながら考えているのだろうか?

一方で活躍の舞台を失った彼女たちの苦悩は深い。今までスペシャリストとして“アナウンス職一途“でやってきたので、ビジネスのやり方に戸惑うこともあるだろうし、ある種の“日本的村社会“の象徴である各部署の人間関係に馴染むのも大変な苦労があるだろう。小説の取材のために、複数の元・女子アナから、さまざまなことを聞いた。そのとき、ある種の”哀愁“すら感じてしまった。

「お前を楽にしてやったから」

「入社直後は、外部との会食などの場所に随行させられた」という逸話は、多かった。また、ある局で何本もの番組をかけ持つ人気女子アナであったある女性は、皮膚が弱いために放送の時以外化粧をしていなかった。社内を歩いていると向こうから人事担当役員が来た。「何で化粧をしていないんだ?」と言われた。その役員は元・男性アナだった。

化粧をしていない理由も説明した。数日後、役員から連絡が来た。「ストレスで肌がやられているとのたまうお前を楽にしてやったから」。それは営業局への異動発令であった。彼女はそれを聞いてすぐにでもどこかのビルから飛び降りたいと思ったそうである。

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【日本企業の社外取締役起用に見える「時代遅れ」感】

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