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日本のテレビ局の女子アナだけに起きている異常 「ジェンダー問題」と「男性優位社会」を象徴する

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  • 吉川 圭三 KADOKAWA映像企画制作部・プロデューサー、dwangoモバイル事業本部エグゼクティブプロデューサー
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だから、当時はテレビのチャンネルをひねると、アナウンサーの特徴によって、流れている番組がどの局かがわかった。「見た目」重視だけでは、テレビ司会者として才能ある人物を取りこぼしていることはないだろうか。

そして2000年代に入り芸能人のスキャンダル報道が多発し、所属事務所の厳しいガードにより、「タレント同士の密会」などのスクープ報道が激減した結果、雑誌やネットには“芸能人未満の会社員で、知名度が高く、公人の扱いを受ける女子アナ“のプライベート写真が溢れるようになった。しかも、彼女たちには、スクープから身を守ってくれるマネージャーが居ない状態なのである。一度スキャンダルが報じられたら現場から外され、復帰のチャンスはほぼ無い。

そして1990年代ごろから、各民放テレビ局もプロのアイドルやモデル顔負けの容姿端麗な女子アナを採用することになった。受験する女性たちにとっても、その親たちにとっても、不安定な芸能の世界よりも、テレビ局の女子アナのほうが安定している職種にも見えるのだろう。かくして、私は、こういったテレビ局の姿勢が、「テレビの面白さ」を削いでいるとともに、深刻なジェンダー問題を引き起こしていると思う。

映画で描かれてきたジェンダー問題

ご存じの通り、ジェンダー問題というのは、かつて世界中の先進国に存在していた。巨匠ビリー・ワイルダーの「アパートの鍵貸します」(1960年)ではその一例が描かれている。戦後の資本主義の象徴のようなアメリカ・ニューヨークの保険会社の巨大ビルが舞台だが、働く女性は「タイピスト」「秘書」「エレベーターガール」という職種くらいしかいない。社内では男性幹部の彼女たちへのお手付き不倫が横行しているという、実に皮肉な社会派コメディーであった。

もう1つ、人種差別という観点から、画期的な人気ドラマ・映画があった。「スタートレック」シリーズである。舞台となる宇宙船USSエンタープライズ号には、アフリカ系米国人のニシェル・ニコルズや、日系人のジョージ・武井ほか異星人の血を引く役のレナード・ニモイが出ている、つまり多人種が共演するドラマであった。

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【元・女子アナから聞いた驚愕の話】

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