「真夏のいちご狩り」に挑む29歳日光の農家の戦略 冬イチゴとは異なる「夏秋イチゴ」の可能性

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「夏イチゴ」に挑戦する日光、戦場ヶ原の岡崎ファームの狙いとは?(写真:岡崎さん提供)
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イチゴの旬はクリスマスから。いちご狩りは冬から春にかけての楽しみ。真夏にいちご狩りなんてできっこない。まして夏休みのイベントとしてなんか絶対無理。

こう決めつけてしまってはいないだろうか。

それができてしまうのだ。首都圏エリアからでは、栃木県、群馬県、山梨県、長野県の避暑地に、真夏にいちご狩りを楽しめる場所がある。

夏は、サクランボに始まり、モモ、ナシ、ブドウ、リンゴと続く、くだもの狩りの一大シーズンだ。はたして、わざわざこの時期にいちご狩りをぶつける必要があるのか。その価値と勝算はいかに。栃木県奥日光で夏のいちご狩りに挑戦する農家を訪ね、そのナゾを探った。

冬イチゴとは異なる夏秋イチゴ

私たちがよく目にするイチゴは、「冬イチゴ」に分類される。冬に出荷されるから冬イチゴなのだが、逆に夏に出荷されるイチゴは「夏秋イチゴ」と呼ばれている。

夏秋イチゴの産地は、北海道、東北、そして長野県。寒冷地や高冷地においては、イチゴは完全に夏の作物なのだ。

夏秋イチゴで約7割のシェアを握る品種「すずあかね」。 蔵王連峰の麓で「すずあかね」を生産している杜のいちごでは、 2023年夏にいちご狩り園をオープン予定(写真:杜のいちご)

ただ、私たち一般の消費者が夏に店頭でイチゴを見かけることは少ない。菓子業界が夏でも新鮮なイチゴを多く必要とするため、これらの地域では主に業務用に生産を行っているためだ。

実はそもそも、イチゴは春から夏にかけて収穫されるものだった。昼間の時間が短くなった秋に株が寒さにあたることでつぼみをつけ、春に花を咲かせて実をならす性質だからである。これを夏に寒さにあて、冬に温室で栽培することで、最大の需要期であるクリスマスシーズンなど冬の出荷が可能になった。

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