実質GDPは増税後初のプラス成長に

消費回復には「なお課題」

<外需寄与度は3期連続プラス>

一方、外需が3四半期連続のプラス寄与となったのは、輸出が前期比プラス2.7%としっかりとした伸びとなり、輸入の同1.3%を上回ったため。米国経済の回復などが寄与したほか、円安による数量効果もようやく表れ始めたとの見方もある。品目では電子通信機器などが増加した。

GDPデフレータは前年比でプラス2.3%。増税の影響もあり4四半期連続のプラスとなったが、前期比でもプラス0.5%と、7─9月期のマイナスからプラス転換した。輸出デフレーターが輸入デフレーターを上回り、外需デフレーターの上昇が寄与した。円安の影響で輸出・輸入価格ともに上昇したが、輸入には原油安の影響が出た。

この結果、名目GDPは前期比プラス1.1%、年率4.5%となり、高い伸びとなった。

2014年GDPデフレーター、1997年以来のプラス

2014年暦年の実質GDPは前年比横ばい、名目でプラス1.7%となった。名目成長率は3年連続のプラス成長で、プラス幅も2012年以降徐々に拡大している。

GDPデフレーターは消費税引き上げの影響などで前年比プラス1.6%と、1997年以来のプラスとなった。

また、名目の雇用者報酬は前年比プラス1.8%。伸び率は1997年(2.1%)以来、17年ぶりの高い伸びとなった。

2014年度の政府の経済成長見通し(マイナス0.5%程度)を実現するには1─3月期に前期比プラス2.0%程度の成長が必要となる。

同日午前、記者会見した甘利明経済再生担当相は、10─12月期GDPの実質成長率が3四半期ぶりにプラスとなった背景に、雇用、所得環境の改善傾向を受けた個人消費や、米中向けの輸出がプラスに寄与したことがあると指摘した。

先行きについては「雇用、所得環境が引き続き改善し、好循環がさらに進展するとともに、原油価格の下落で交易条件も改善する中、堅調な民需に支えられた景気回復が見込まれる」と言及。「過去最高水準の企業収益を賃金上昇につなげることが重要で、昨年の政労使会議の合意に沿って、今年も賃上げがしっかり実現することを期待している」と述べた。

また、デフレーターが前年比で2.3%上昇し、前期よりプラス幅が拡大していることは「デフレ脱却に向けて好ましい状況」との認識を示した。

*内容を追加します。

 

(中川泉 吉川裕子 山口貴也 編集:山川薫)

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