出川哲朗が「プロフェッショナル」に選ばれた必然 なぜこれほど愛される人気者になりえたのか

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落ち込んでしまうことが続いても、仕事として認められていることまでを否定することはなかったのです。出川さんは表面的なところだけを見て、感情的に投げ出したり反論したりせず、本質をとらえる力を持っているのでしょう。現在はネットの発達で個人への誹謗中傷が社会問題化するほど増えているだけに、ビジネスパーソンにとっても出川さんのようなブレない考え方を持つことの重要性を感じさせられます。

「リアルガチ」が生んだ最後の笑い

出川さんが後輩に見せた優しい言動にも、成功の秘訣が見え隠れしていました。

今年4月、放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会が「痛がる様子を笑う番組は青少年が真似をしていじめに発展する危険性がある」と制作者に配慮を求める見解を出しました。これに芸人の後輩パンサー・尾形貴弘さんが不安な表情を見せると、出川さんは「崩れないから。やり続けるから」と言い切ったのです。

出川さんはさらに、「難しいかもしれないけど、歌舞伎とかが古典になっているみたいに俺らの熱湯風呂とかザリガニも古典芸みたいにしてっちゃおうかなって。特殊な人たちがやってる笑いにはできるような気がする」とコメント。難しいことは承知で、「そんなの無理だよ」と笑われるかもしれないことも気にせず、明るい未来を語れる出川さんのような存在が周囲の心を救える様子が伝わってきました。

素晴らしかったのは、「批判的な人もいるのは凄いわかるんですけども、でもそれ以上に笑ってくれている人がいっぱいいるような気がするんですよ」ともコメントしていたこと。ここでも表面的なところだけを見て、感情的に投げ出したり反論したりせず、本質をとらえる力を持っていたのです。

出川さんは「プロフェッショナル」の最後に、リアクション芸の原点となった「ジェットコースターに乗りながら文字を読む」という企画に挑み、走行中に「プロフェッショナルとは?」という質問を投げかけられました。

出川さんは必死にリアクションを取りながら、「何で今なんだよ! プロフェッショナルとは……ブレないこと。ブレないで自分の好きなことをやり続けること。それを仕事としてやっている人はみんなプロフェッショナルなんじゃないか。俺もプロフェッショナルになりた~い!」とコメント。

さらにジェットコースターを降りる際、「違う違う違う。こんなの俺のイメージしている『プロフェッショナル』じゃない」とボヤきながらも、「今までジェットコースター乗って『プロフェッショナル』を言った人いるんですか?」と尋ね、いないことを聞くと、「オンリーワン。じゃあいっか」と笑顔を見せて番組は終了しました。

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