「おもちゃとジェンダー」老舗メーカーが挑む難題 子どもが「自らの好奇心に従えない」複雑な要因
おもちゃの「外箱」で遊びだす子ども
――なぜ「好奇心」を軸に据えた研究開発を重視するのでしょう?
子どもの好奇心の研究は、実はまだ進んでいない部分も多い。つまりここを突き詰めることで、ピープルが好奇心研究の最先端になれる可能性がある。価格競争も激しくなる中、レッドオーシャンではない独自の成長領域として切り開いていけると思っている。
他社のものも含め、さまざまな玩具を乳幼児に与えてどんな反応をするかを観察してみるのだが、例えばいざ買ってパッケージごとわたすと、おもちゃ本体ではなく外箱で遊びだすというのはよくあること。「この透明な物体は何だろう?」とそちらに興味を持つのは素直な反応だ。
このような反応を受け止めた商品づくりをしようというのが、ピープルの開発姿勢なのかなと思う。コロナ禍でできなくなってしまったが、以前は社内に設置したモニタールームで週に3、4回、乳幼児とその親を招いて遊んでいるところを観察し、商品開発につなげていた。
希望に応じ、こうした手法について他社にシェアすることはあったが、それでもここまで深く「好奇心」という部分に根差した開発を行っている会社はうちだけだと思っている。
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