スタートアップへのリスクマネーの供給をどう増やすか。政府は3つの手法を柱に支援を加速するが、業界内ではそれをめぐる攻防も。
「これまで以上に官民の連携を強化し、スタートアップの持続的な成長を支えないといけない。ベンチャーキャピタル(VC)の皆さんには、積極的な投資で日本のエコシステムを盛り上げていただくことを期待したい」
7月15日、東京・虎ノ門。VCの業界団体である日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)の定時総会に岸田文雄首相が急きょ登場し、5分ほどの講演を行った。
岸田氏は自ら2022年を「スタートアップ創出元年」と位置づけ、政府のスタートアップ支援が加速している。現職の首相の登場に会場からは驚きの声が上がった。
「なぜこんな誤報が出るんだ」
そこからさかのぼること2カ月。5月、一部報道機関によるある記事が政府内やVC関係者の間で大きな波紋を呼んだ。
「海外VCのみに出資、政府が新基金」。内容は、日本国内のスタートアップへの投資を促すために、政府が海外VCに限定して出資する1000億円規模の新たな基金を、2023年度をメドに設けるというものだった。
「なぜこんな誤報が出るんだ。いったい誰がリークしたんだ」。スタートアップ政策を推進する経済産業省幹部は憤った。
幹部のもとには国内外のVC関係者たちから立て続けに連絡が入った。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら