■セブン−イレブンにとってのメリットとは
コンビニの棚は、日々各メーカーが壮絶な場所取り合戦を繰り広げている。どんなによい商品を作っても、最終的に消費者が手に取らなければ売れないからだ。そんな店内の棚の中でもホワイトデー商品が置かれているのは特別な場所だ。商品棚の両端で来店客の目を惹きやすい、「エンド」と呼ばれる商品陳列コーナーである。販売重点目標となったキャンペーン商品や、クリスマスや年賀用贈答品、シーズン商品などが並べられる。
エンドの棚にバレンタイン商戦から並べられている「ゴディバ」。日本での販売の歴史は意外に古く、1972年に日本橋三越に第1号店がオープンしている。以来店舗を徐々に増やし、 現在では200店舗以上を展開している(Wikipediaより)。
ゴディバは日本には非常に力を入れている。北米に続く第2の市場で、「現在の日本の売上高(小売ベース)は二百億円弱とみられ、世界全体の売上高の二五%を占める」。(2006年9月21日付日経産業新聞)
コンビニエンスストア、セブン−イレブンとの組み合わせは異色に見えるが、実は両者の思惑はうまくかみ合っている。
チョコレート以前にセブン−イレブンが取り扱いをはじめたゴディバ商品がある。アイスクリームである。カップアイス420円、アイスクリームトリュフ399円(各税込み)。コンビニ限定商品ではない。ゴディバの店舗やオンラインショップでも販売している商品だ。
コンビニで400円前後のアイスが売れるのか?・・・売れているのだ。もちろん取り扱いや売れ行きは店舗によって差はあるが、いくつかの店を見て回ったが売れているようだ。
セブン−イレブンが高級アイスを展開するのはゴディバが初めてではない。「銀座千疋屋・銀座プレミアムアイス」とちおとめ&マスカット(各420円・税込み)。創業1834年・日本橋室町の千疋屋総本店から1894年にのれん分けをして以来の歴史を持つ、老舗高級果実店のアイスクリームだ。
コンビニエンスストアの店舗は狭い。便利な・Convenientな店であるため、多品目を並べるためどうしても1品目あたりのスペースは限られる。また、好立地を確保しようとするため地代家賃は高くなる。故に、売上げ坪単価を高めようと「売れる範囲での高額品」は是非とも並べたいと考える。
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