「ノンアル飲料」をあえて選ぶ20~30代の飲酒観 「家飲み」隆盛でアルコールよりノンアルが伸長

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ノンアル市場が伸び始めるきっかけになったのは、2000年代の道路交通法改正により、飲酒運転の厳罰化が行われたことだと言われている。

ただ、当時はノンアルの商品数も限られていた。「本当はお酒が飲みたいけど、車の運転もあるから」と我慢してノンアルを飲んでいた人も少なくないのではないだろうか。

ところが、近年では、「健康に良いから」「レモンチューハイやワインなどノンアルでもさまざまな味を楽しむことができるから」と積極的にノンアルを飲む人が増えているようだ。

ノンアルチューハイ等の市場が急拡大した2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する目的で、飲食店での酒類提供が厳しく規制された年でもあった。そうした中、飲食店でノンアルのオリジナルカクテルを提供する動きもあった。お酒でなくとも、ノンアルで十分楽しめると感じた人がいたと考えられる。

ノンアルチューハイの購入者は女性が過半

次に、ノンアルとアルコール飲料の購入者の顔ぶれに違いがあるのかを見てみたい。図表3は、全国の男女約5万2500人のモニターから買い物データを継続的に聴取している「インテージSCI」から、2022年1~5月合計のノンアル・アルコール飲料の性年代別金額構成比を確認したものだ。

ここでは、購入者自身の需要をみるため、代理購買を除き、本人用または共用での購入に絞っている。注目したいのが、ノンアルチューハイ等での女性20~30代、女性40~50代の構成比の大きさだ。過半数が女性となっている。ノンアルビールや各種アルコール飲料と比較して最も大きい値だ。

ビール類と同様に男性の購入者が多いノンアルビールとは対照的だ。ノンアルビールの場合、健康系のものが人気となったとはいえ、女性を中心に苦みのあるビールの味を敬遠してしまう人もいるのだろう。そうした人たちに人気となったのが、ノンアルチューハイ等なのではないだろうか。

最後に、ノンアル・アルコール飲料の飲み方に、年代ごとの違いがあるのかを確認したい。

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