秋の中間選挙に向けた米国各地の予備選挙の動向を見ると、トランプ前大統領の存在感は依然大きい。その影響は米国保守思想界にも及ぶ。トランプ現象の激震を奇貨として保守思想再編を狙う動きが活発化している。その行く末は見えないが、米国における保守の概念も変化しそうだ。
戦後米国保守思想史研究の第一人者である歴史家ジョージ・ナッシュが最近著した論考によれば、内政では「小さな政府」、対外的には「強い米国」を掲げてきた1980年代以来のレーガン主義が、トランプ登場以降「ゾンビレーガニズム(死人同然のレーガン主義)」と呼ばれ否定されている。
減税・規制緩和の「小さな政府」を主導してきたのはリバタリアン(自由至上主義者)、対外安全保障政策で「強い米国」を支えてきたのは新保守主義者(ネオコン)と呼ばれた思想集団で、レーガン主義の支柱となってきた。彼らは、今の保守思想再編の動きからは排除されている。
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