18きっぷ越える衝撃、ドイツ「9ユーロ乗り放題」 地下鉄やバスなども含め1カ月有効、だが課題も

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本来、このチケットはドイツ国民の自動車利用を減らし、エネルギー消費を抑えることが趣旨であり、当初は通勤で車を使っている人たちに対して売り出す予定だった。

しかしその後の計画変更で、特に制限なく購入することが可能となり、最終的にはドイツ国民のみならず、ヨーロッパをはじめ世界各地から訪れるドイツへの旅行客もこのチケットを購入することが可能となった。6歳以下は無料で、このチケットがなくても同伴の大人と一緒に交通機関を利用できるが、それ以上については年齢に関係なく一律9ユーロになる。子供運賃もシニア運賃もないのだ。

ドイツの評論家の中には、この政策に対して懐疑的に見ている人たちもいる。こうしたチケットがもてはやされるのは最初のうちだけ、自動車の利用が減るのは一時的で、しかも一部の大都市に限られるだろうという見方も多い。

実際に使ってみると…

だが、こんな便利なチケットを利用しない手はないし、実際に利用して見えてくる問題点などもあるだろう。

ということで早速ドイツへ行き、私も1枚買って利用してみることにした。行き先は首都ベルリンと、その近隣都市のマクデブルク、ポツダムだ。私の住むチェコのプラハから国際列車で国境へ向かい、その先のドイツ国内はすべてこのチケットを使って移動してみようと考えた。

9ユーロチケットは自動券売機で購入できる(撮影:橋爪智之)

事前の情報通り、本当に駅や停留所にある券売機で普通に買える。出てきたチケットは、何の特別感もない普通の紙ぺら1枚だが、名前を書く欄がある。使い回し防止のため、チケットは記名式になっており、車掌からパスポートやIDカードの提示を求められたら従わなければならない。実際、2日間にわたる行程の中で、検札そのものに遭遇したのはわずか1回だが、きちんとパスポートを確認された。

国境駅からドレスデンまで、普段はエルベ川沿いののんびりとした田舎だが、到着したローカル列車には大勢の乗客が乗り込み、早くも立ち客が出るほどの混雑だ。停車駅ごとに乗客が増え、ドレスデンに到着の頃にはかなりの混雑となっていた。

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