ソニーGがゲーミング用品の新ブランド立ち上げ 照準はPCゲーマーだがPS事業弱体化のリスク孕む

✎ 1〜 ✎ 815 ✎ 816 ✎ 817 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
The Sony Corp. logo is displayed atop the company's headquarters in Tokyo, Japan, on Wednesday, April 28, 2021. Sony Group Corp. is expected to post an impressive profit for the fiscal year ended March, but investors are expecting the firm to deliver cautious guidance for the current year as many markets move to a post-pandemic phase.

ソニーグループは29日、ゲーミング用品の新ブランドを立ち上げ、ゲームに適したモニターやヘッドセットなどの製品群を発表した。高付加価値製品の商品投入を加速させ、高成長が見込まれるPCゲーム市場を含めた需要の取り込みを狙う。

PSと異なるブランド名を付けた狙い

ソニーGのウェブサイトによると、新ブランドの名称は「INZONE(インゾーン)」。同社の旗艦製品である家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)」の周辺機器としても使えるが、異なるブランド名を付けることでより広い消費者層向けであることをアピールする。

「INZONE(インゾーン)」モニターとヘッドセット(29日・都内)Photographer: Akio Kon/Bloomberg

発表資料によると、27インチのモニター2機種とヘッドセット3機種(ワイヤレスモデル2機種、有線モデル1機種)を7月8日から順次発売。いずれも同社が長年培ってきた高画質・高音質を追求した独自のノウハウと最新の技術を盛り込み、ゲーマーが最大限のパフォーマンスを発揮できるようにしたという。

税込みの市場推定価格はモニターの下位機種が15万4000円前後、ヘッドセットは1万2000円前後から3万6000円前後となっている。

特に念頭にあるのは、ゲーム愛好家の中でも比較的高い消費性向をもつPCゲーマーだ。最新ゲーム機であるPS5の標準モデルの定価が4万9980円であるのに対し、充実した描画性能や優れた外見のために数十万円以上かけてPCを自作する事例は少なくない。

オランダの市場調査会社ニューズーによると、2021年のPCゲーム市場の規模は410億ドル(約5兆6000億円)で、ゲーム産業全体の約2割を占める。eスポーツや動画配信などが盛況で、従来は家庭用ゲーム機のみに製品を投入してきた大手ソフトウエア会社が相次いでPCにも対応、今後も高い成長が見込まれている。

次ページ高成長市場を巡るマイクロソフトとの一騎打ちへ
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事