[Book Review 今週のラインナップ]
・『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』
・『日本病 なぜ給料と物価は安いままなのか』
・『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』
・『増補版 悪役レスラーは笑う 「卑劣なジャップ」グレート東郷』
[新書紹介 3分で4冊!サミングアップ]
・『戦国武将、虚像と実像』
・『インテリジェンス都市・江戸』
・『一汁一菜でよいと至るまで』
・『ルポ 女性用風俗』
評者・キャリアアドバイザー 林 雅彦
フェイスブックが社名をメタに変更という覚悟をもってメタバース事業へ乗り込むという。このニュース以来、世にはメタバース関連の書籍があふれることとなった。その中で、そのリアルな現状及び関連技術の現在地、そしてごく近い未来への見通しが抑制的かつ客観的に記されているものという、評者の要求に合致したのが本書だ。
本書は、メタバースで毎日一定時間過ごす「メタバース原住民」の手になるもので、ほかの原住民への統計調査結果も踏まえて記述されている。また、著者作成の動画にも本書からQRコードでアクセスでき、メタバースの現在をリアルに知ることができる。
核は「人間=分人の集合体」そこで分人が自由に生きる
メタバースとは、一般に「リアルタイムに大規模多数の者が参加しコミュニケーションと経済活動ができるオンラインの三次元仮想空間」と説明されるが、本書ではメタバースをより狭く捉える。
具体的には「自己同一性(自分のアイデンティティーを投影した唯一無二の自由なアバターの姿《メタバース内での姿》で存在できる)」や「創造性(ユーザー自身が自由にコンテンツを持ち込んだり創造したりできる)」などを条件として加えている。
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