神戸の玄関、三宮は「駅前再開発」でどう変わるか 各路線の乗り換え改善へ、新バスターミナルも

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2022年3月には、JR西日本と都市再生機構(UR)西日本支社、神戸市がJR三ノ宮新駅ビルの開発計画の概要を発表した。商業施設、オフィス、ホテルからなる地上32階建て、高さ約160mの超高層ビルを建設する。

JR三ノ宮新駅ビルの外観イメージ(画像:JR西日本)

総事業費は約500億円。着工は2023年度で、2029年度の開業を予定する。商業施設やオフィス、約250室のホテルのほか、駅前広場上空にデッキを整備する。発表資料で商業施設は「『神戸ならでは』の価値を提供」、ホテルについては「神戸ならではの多様な文化を体験」と、「神戸ならでは」という表現を強調している。

さらに2022年6月、雲井通5丁目地区の再開発計画がより具体的に明らかになった。バスターミナル整備の1期にあたり、神戸市勤労会館と中央区役所、商業施設「サンパル」などが建っているエリアだ。

新バスターミナルを整備

こちらは地上32階、高さ約163mで、低層部分に国が中・長距離バス用の新ターミナル、神戸市が1800席程度の大ホールや図書館などを整備する。高層階ではブライダル大手のテイクアンドギヴ・ニーズがインフィニティプールなどを備えた「ラグジュアリーブティックホテル」を展開するという。国道2号に沿って新設する歩行者デッキとは2階レベルの「屋外歩廊空間」でつながる。完成は2027年度ごろの予定だ。

雲井通5丁目地区の南西から見た外観イメージ(画像:雲井通5丁目再開発株式会社)
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工事に伴って、中央区役所は市役所西側の3号館跡地へ移転、7月19日から新庁舎で業務を開始することが決まった。勤労会館内の三宮図書館も6月末で閉館、三宮フェリーターミナル近くの旧生糸検査所の建物を活用したデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)へ仮移転する。

大阪梅田の「うめきた2期」をはじめ、全国的にターミナル駅周辺の再開発プロジェクトが進行中だ。三宮駅前は阪神・淡路大震災からの復興を優先したため、機能更新が遅れたとの指摘がある。

神戸市の担当者は「三宮は六甲山地と神戸港の間に位置していることから、自然との調和や開港以来の国際性、進取の気性といった『神戸らしさ』を街づくりに生かしていきたい」と話す。そのうえで「民間中心で開発する建築物と広場や道路といった公共空間との官民連携の整備によって、人が主役の居心地のよい場所をつくっていく」と強調した。交通の利便性改善にとどまらず、周辺の自然や観光資源を生かして、東京や大阪などほかの大都市にはない再開発が進められるかがカギになりそうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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