粉飾7年、会社を潰した男「後悔はない」と言う訳 一度始めるとやめられない麻薬のようにハマった
失敗を隠すことが、最大の失敗
失敗を隠すことが、最大の失敗――。倒産を30年取材してきた私たち日経トップリーダー編集部が、本稿で最初にお伝えしたい、破綻の法則がこれです。
失敗を隠す究極の行為が、粉飾です。決算を粉飾すれば、経営を実態以上によく見せることができます。現実には、売り上げが減り、利益が細って赤字に陥っていたとしても、その現実を嘘で覆い隠し、銀行から融資を引き出し、会社を延命することが可能になります。しかし、粉飾は会社の息の根を確実に止めます。よかれと思って下した苦渋の決断が、最悪の結果を招くのです。
多くの経営者が粉飾の誘惑に駆られますが、実際に一線を越えるかどうかは、経営者次第です。
粉飾は法律に触れる行為ですが、怖いのはそれだけではありません。本当の恐ろしさを感じていただくため、本稿では、一線を越えて粉飾に手を染め、会社を潰した経営者の胸のうちを紹介します。
会社の成長という健全な欲望を、粉飾で膨らませたサービス業経営者の独白です。粉飾は麻薬によく例えられます。一度始めるとやめられなくなるからです。 ことの重大さになかなか気づけず、気づいた頃には、破綻という結末に向かって加速度的に進んでいます。
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