衰退する国・日本には「第三の開国」が絶対必要だ 楽天・三木谷氏×星野リゾート・星野氏が語る

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星野 佳路(ほしの・よしはる)/星野リゾート代表。1960年生まれ。長野県軽井沢町出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。91年、星野温泉(現在の星野リゾート)代表に就任。所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、運営サービスを提供するビジネスモデルへ転換。現在の運営拠点は、独創的なテーマが紡ぐ圧倒的非日常「星のや」、ご当地の魅力を発信する温泉旅館「界」などの5ブランドを中心に、国内外58カ所に及ぶ

――地方を盛り上げるための策としては、何が考えられるのでしょうか?

星野:大きなポテンシャルがあるのは「自然観光」という資源の活用です。

観光資源には文化観光と自然観光の2種類があって、日本の場合、文化観光はすでに強いコンテンツを備えているのですが、自然観光はまだまだ弱い。非常に価値のあるコンテンツがあるのに、プロモーションはほとんど手付かずという状態なのです。

スイスやカナダのように、自然観光に力を入れている国は、都市と地方の観光収益のバランスがとれていくんです。「カナダのバンクーバーに行った後に、アルバータのナショナルパーク(国立公園)にも寄ってみよう」といったプランが成り立ち、豊かな旅体験を提供できます。

海と山に囲まれ、四季のある日本は、非常に質の高い自然観光を打ち出せる可能性がたくさんあります。自然観光を強化する施策を進めていけば、「東京・大阪・京都だけじゃない日本」の地方観光のブランディングができるはずです。

象徴的な課題をひとつお伝えすると、世界的に有名な日本の国立公園はひとつもありません。しかし、実際には国が指定した国立公園は全国にも点在しているんです。これらのうち、たとえば5つだけに絞って重点投資をして、集中的に世界にアピールしてみる。それだけでかなりの効果はあるのではないでしょうか。

今はどちらかというと、ある国立公園をもっと増やそうという方向性に進んでいるのですが、私は「絞って集中ブランディング」のほうが世界に魅力が伝わりやすいと思います。

私たちのホテルでは地熱や水力を使って電力を自前で供給する仕組みが整っているので、同じことを国立公園でもできれば環境政策としてもアピールにつながります。すでに提案はしているのですが、なかなか進まないですね。

日本発のコンテンツへの投資がもっと必要だ

三木谷:自然観光についても言えることかもしれませんが、日本をブランディングすると言ったときに、「何を日本の魅力とするか」という議論が全然足りていなかったのではないかと思います。

日本のカルチャーといえば「アニメ」を思い浮かべる人が多い。もちろんアニメファンのパワーは強力なのですが、それが日本のプロダクトやサービス全般のイメージを向上させ、単価を上げるまでにはなっていない。

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