不動産会社主導の「公園再開発」に欠けている視点 神宮外苑“幻の再整備計画"のキーマンを直撃

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三井不動産が手がける内幸町の再開発の目玉が、日比谷公園と再開発エリアをブリッジでつなぐ「TOKYO CROSSPARK構想」だ(画像:三井不動産提供)

明治神宮外苑の再開発を主導する三井不動産をはじめ、不動産会社などの民間企業が大規模な都市公園・緑地の整備・運営に続々と乗り出している。

神宮外苑地区(対象面積・28.4万㎡)の再開発計画案は、市民から反対署名が提出されるなど懸念の声が上がっているが、これまでも三井不動産は公園を都市再開発に積極的に利用してきた。

東京・渋谷の宮下公園は、ホテルや商業施設の上を公園とした「MIYASHITA PARK」(約1万㎡:2020年8月開業)に大きく作り変えた。都市計画公園「小石川後楽園」(約22万㎡)内でも、野球場や遊園地などを保有する東京ドームを2021年1月に買収している。いずれ東京ドームの建て替えを含めて、大規模再開発に乗り出すとみられている。

今年3月には、「日比谷公園」(約16万㎡)に隣接する東京・内幸町1丁目街区の再開発計画の中で、日比谷公園と同街区に道路をまたいでブリッジをかける「TOKYO CROSS PARK構想」が明かされた。日比谷公園そのものを開発するわけではないが、公園の環境を上手く利用しようという取り組みだ。

東急不動産と三菱地所も5月から公園の整備に着手したが、樹木や芝生を植えて、新たに広い緑地を生み出す公園づくりを進める。

東急不動産は、代々木公園の一角にあった古い体育館の跡地(約4000㎡)をPark PFI(民間資金による公共施設整備)事業で整備。スケートボードが利用可能な施設を含めて2024年春の開業をめざす。

三菱地所は、大阪・梅田の大規模再開発事業地区内で、都市公園「(仮称)うめきた公園」(約4.5万㎡)を整備し、大阪・万博前の2024年春に一部を開園し、2027年春の全面オープンを予定する。

こうした民間主導による公園整備が活発化するなか、国土交通省では今年2月に「都市公園の柔軟な管理運営のあり方に関する検討会」を立ち上げ、社会経済状況の変化に対応した公園の管理運営に関する議論をスタートした。

誰もが快適に過ごせる公園管理、民が担う公の役割を踏まえた公園運営、まちの活力を支える発展的な公園利用―などを検討し、今年8月頃には報告書をとりまとめる予定だ。

この検討会の委員長が、2003年の神宮外苑再整備計画(「神宮外苑『樹木伐採』再開発の前にあった幻の計画」参照)で副委員長を務めた蓑茂壽太郎・東京農業大学名誉教授である。現在は、全国の国営公園など大規模な都市公園やレジャー施設などの運営管理を行っている一般財団法人公園財団の理事長も務める。

重要な社会インフラである大規模な公園・緑地をまちづくりにどう活かしていくべきなのか。同氏が考える、これからの公園を活かしたまちづくりについて聞いた。

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