北朝鮮がいきなり「感染大爆発」を公表した真因 すでに脆弱な状態で累計120万人が感染か

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すでに韓国やアメリカでは、今回のパンデミックの金正恩政権に対する影響は大きいとする向きがあるが、専門家からは現時点で判断するのは時期尚早のうえ、影響を過剰に見すぎているという声も出ている。

実際、北朝鮮政府はこうした危機が発生した時の対応能力は高い。また、ロックダウンは政府が国民をより厳格に管理することを可能にする。ブラウン氏は「多くの人があちこちに移動しなければ、状況は改善するだろう」と語る。

「ほとんどの人は平時でも動かずにじっとしている。大きな集会もあるが、極めてまれだ。北朝鮮には電気、電話、イントラネットが完備されている。さらに非常に組織化されており、コミュニティーグループはあらゆることに関して互いに報告し合っている。なので、もし政府が何かを命令すれば、たいていすぐに実行されるのだ」(ブラウン氏)

ワクチン支援は得られるか

皮肉なことにこのシステムのおかげで、北朝鮮は大規模な予防接種キャンペーンを迅速に実施することができるかもしれない。CSISが発表した専門家の報告書によれば、北朝鮮は以前、援助の申し出を断ってはいるが、本質的には反対していないという。

北朝鮮当局は内々に(公にはしないが)、中国のシノバック社製ワクチンや、国際的なワクチン供給の枠組みCOVAXから提供の申し入れがあったが副作用が問題とされたアストラゼネカ社製ワクチンよりも、欧米で開発されたmRNAワクチンの方を希望しているという。また、COVAXの提供するワクチンでは人口の20%しかカバーできず、十分ではなかっただろう。

北朝鮮には予防接種プログラムの長い歴史がある。ローテクではあるが、かなり効果的な予防接種のシステムだ。2006年に麻疹が流行した際、国際的な支援により「数百万人があっという間に予防接種を受けた」とシャフィク医師は当時支援を行った際の経験を語っている。

WHOとユニセフが北朝鮮国内で再び本格的に活動できるようになれば(現在北朝鮮内にオフィスは残されているが、外国人はいない)、約2600万人の全人口に対して1~2週間で予防接種を行うことができるだろう、とシャフィク医師は考えている。

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