ギリシャ総選挙で野党勝利なら、日本株は? 日経平均、1万8000円奪還準備へ

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25日はギリシャの総選挙。もし、選挙結果を口実にした「仕掛け」があっても、26日以降、マーケットでは大きな波乱はなさそうだ(写真:ロイター/アフロ)

ECB(欧州中央銀行)が、1月22日(木)に量的緩和を3月から実施する旨を表明した。これが23日(金)の日本の株価上昇をもたらしたのは間違いない。低迷している欧州景気を考えれば、こうした緩和策は当然のことであり、他先進国の緩和策を日本市場が好材料と解釈したこともうなずける。

量的緩和に異存なしだが、いただけない欧州政治家

しかし、いただけないのは、欧州の政治家の姿勢だ。19日(月)にオランド仏大統領が、「(ECBが理事会で)国債を購入する決定をするだろう」と述べたことに続き、21日(水)にもレンツィ伊首相が「欧州の意識が財政規律から成長に変わるとき」であり、「ECBがその新たな方針のメッセージを伝えられる」と語った。これは「国債購入で財政規律が緩んでもよいので、量的緩和で成長を支援してほしい」と示唆したようなものだ。

特に政治家が中央銀行の緩和を望んではいけない、というわけではない。だがECBの量的緩和については、ドイツが量的緩和に強硬に反対するとの観測(ECBが継続的に国債を買ってくれるなら、欧州各国政府は財政赤字を拡大して国債を増発しても大丈夫だと考え、財政規律が緩みかねない)があった。オランド・レンツィ両首脳の発言は、ドイツをけん制し、量的緩和に向けて圧力をかける目的があったと推察される。

筆者が言いたいのは、各国政府としては、ECBに緩和をやってもらうとしても、各々、他の景気刺激策を積極的に打ち出す姿勢が必要だ、ということだ。どうも「中央銀行頼み」になりすぎてはいないか。ある報道では、イタリアの政府高官がドラギ総裁に、「『量的緩和を行ってくれ』と泣きついた」、とも伝えられている。

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