ギリシャ総選挙で野党勝利なら、日本株は? 日経平均、1万8000円奪還準備へ

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しかし、仮に「追加緩和ありうべし」、との主張に惑わされ、市場が誤ったカネ余り期待から、国内株高・円安に走ってしまえば、かえってその反動が危険になるだろう。市場が中央銀行頼みになりすぎるのも、好ましいこととは言い難い。

マーケットは「金融への期待」から「業績への期待」へ

いずれにしても、筆者の懸念が杞憂に終わることを祈るが、足元は日銀とECBそれぞれの会合が終わり、今週の米FOMC(27日(火)~28日(水))でも特に動きはないと市場は考えているだろう。

このため、市場の関心は、内外の金融政策から国内企業の収益実態に移ると見る。

実際、ECBの量的緩和を受けた23日(金)の日本の株式市場で、前日比で上昇が大きかった業種をみると、世界の貿易量と関係が深い海運や、鉄鋼、非鉄金属、機械、電機、精密といった、いわゆる世界の景気と連動しやすい企業が買われている。

すなわち、欧州の量的緩和が材料であると解説されている割には、金融相場というより業績相場に近い物色動向となっていたわけだ。

今週以降、週末にかけて国内企業の10~12月期(3月期決算企業で言えば第3四半期、累計では4~12月期)の決算発表がいよいよ本格化する。

円安による輸出企業の収益押し上げ効果もあって、総じては好調な内容になりそうだ。今週の日経平均は、週初は様子見気分が強い滑り出しになるかもしれないが、決算内容を消化しながら、徐々に業績相場としての力強さを増すと見込む。

25日(日)のギリシャ総選挙については、市場は野党の勝利についてすでに織り込んでいる。もし、選挙結果を売買の口実とした投機が入ったとしても、大きな波乱はないだろう。

日経平均株価は、1万7100~1万7800円での推移と、1万8000円台奪回への準備段階を予想する。

馬渕 治好 ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト

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まぶち はるよし / Haruyoshi Mabuchi

1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米国マサチューセッツ工科大学経営科学大学院(MIT Sloan School of Management)修士課程修了。(旧)日興証券グループで、主に調査部門を歴任。2004年8月~2008年12月は、日興コーディアル証券国際市場分析部長を務めた。2009年1月に独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行う。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。各地での講演や、マスコミ出演、新聞・雑誌等への寄稿も多い。著作に『投資の鉄人』(共著、日本経済新聞出版社)や『株への投資力を鍛える』(東洋経済新報社)『ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係』(金融財政事情研究会)、『勝率9割の投資セオリーは存在するか』(東洋経済新報社)などがある。有料メールマガジン 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」なども刊行中。

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