ギリシャ総選挙で野党勝利なら、日本株は? 日経平均、1万8000円奪還準備へ

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一方、日本国内では、日本銀行が1月20日(火)~21日(水)に金融政策決定会合を開催し、2015年度平均のインフレ率見通しを、1.7%から1.0%に下方修正した。また会合後の記者会見で、黒田総裁は、2015年度に2.0%にインフレ率を押し上げるという政策目標については、達成が「多少前後する可能性がある」と語った。

インフレ率目標未達でも、追加緩和の可能性は低い

まあ、達成が前になる可能性はないだろうから、想定より「2%達成」が遅れることを認めた発言だと言えよう。

インフレ率の達成が遅れるとしても、日銀の追加緩和の可能性は低いと見込む。これは、主に2つの理由からだ。

1)インフレ率低下の背景の一つに原油価格の下落があるが、今のまま原油価格が底這ったとしても、前年比ベースでは原油価格低迷による物価押し下げ効果は剥落していく。

また、ガソリンや灯油、その他の石油製品などの価格が下がることで、家計や企業が助かり、景気が回復して、その結果として物価が上がる効果も期待される。

2)昨年4月のベースアップは、消費増税とぶつかって効果が相殺されてしまったが、今年と来年の2回については、消費増税なしのベースアップが行われるため、消費の回復が期待できる。

つまり、日銀が今後何らの手も打たず静観しても、景気と物価の持ち直しが生じうるわけだ。こうした見解を市場も共有し、冷静に金融政策決定会合を受け止めたためか、日経平均株価や円相場には、特段の動揺が見られなかった。

いや、それどころか為替がじわじわと円高気味の推移となったのは、「もう追加緩和がない」という観測を、市場が前倒しで織り込み始めたのかもしれない。そうして市場に静かに備えができた方が、先行き波乱に見舞われる可能性が低下するだろう。

ところが、明らかに動揺しているかのように見える専門家がいる。なかには、「黒田総裁は、異次元の緩和からほぼ2年後に2%インフレが達成できると公言しておきながら、それができないのであれば、『落とし前』をつけるために、どんどん追加緩和せよ」といったような主張も散見される。今のところ幸いにして、そうした専門家の言を、市場は信じていないように見える。

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