集中力が「金魚レベル」になるスマホ漬けの脅威 10年間の調査で見えた子どもの脳への影響とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

マイクロソフトは主な原因をICT(通信科学技術)やソーシャルメディアの活用と結論づけていますが、実はこれ、マーケティング戦略向けのプロモーションとして発表されたデータなのです。

つまり、「現代人は集中力がないので、ネット広告は10秒以内で作ろう」と勧めているわけです。

スティーブ・ジョブズをはじめとするシリコンバレー長者たちは、この事実を知っているからこそ、自分たちの子どもたちをデジタル機器から遠ざけるのでしょう。

学級崩壊が「激増している」背景とは

私は学校関連の会合に出席することも多いのですが、小学校では「学級崩壊が激増している」といった教育関係者の悩みをよく聞きます。

「教師に暴言を吐く」「授業の妨害をする」といった非行・暴力行為は低年齢化し、逆に「授業中、ウロウロと歩き回る」などの、従来は低学年の子どもに見られた行動抑制・社会性の未発達は、高学年にも見られることが増えてきているそうです。

学童期の発達障害が増加してきていることは、日本だけでなく世界的な傾向でもあります。

日本でも2006年から2019年のあいだで、ASD(自閉症スペクトラム障害)は6.5倍、ADHD(注意欠陥多動性障害)は14倍、LD(学習障害)は11.5倍に増えていると試算されています。特に数の多いADHDは、児童の10人に1人いるとも言われています。

これらの状況に頭を悩ませる児童精神科医や教師は、「社会や環境のせいだろうか?」「家庭の問題なのか?」などと答えを出せないままでした。

もちろん、家庭や社会といった環境の複雑な要因も見逃せませんが、シンプルに「デジタルスクリーンの影響」といった視点で見直してみると、意外なほど簡単に解決法が見つかるでしょう。

次ページ「デジタルデトックス」
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事