紙媒体は「50代以上で制作を」、新聞社再生の提言 朝日を「2度辞めた男」が見たデジタル化の難題

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紙の新聞を制作する会社とデジタル新聞を制作する会社に、組織を2分割してはどうか――。新聞社やネットメディアで働いた亀松氏の提言とは。

紙の部数減に苦しむ新聞社。デジタル化による再生も一筋縄ではいかない(写真:ヒロサカ/PIXTA)

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朝日新聞社は4月6日、他社媒体の編集権に”介入”したとして、峯村健司記者に懲戒処分を下した。他方、日本経済新聞に関しては若手記者の退職が相次いでいるという厳しい内情が報道されるなど、目下、新聞業界が何かと騒がしい。
個々の事件にはそれぞれの経緯や原因があるものの、底流には新聞社という組織ジャーナリズムの担い手の構造問題も存在していそうだ。新聞社は今、どんな課題を抱えているのか。部数減が止まらない中、どうすれば報道機関として復権できるのか。
特集「新聞危機」の最終回は、朝日新聞社で2度働き、いずれも数年で去る決断をした亀松太郎氏。崖っぷちに立つ新聞が生き残るための策を大胆に提言する。

紙とデジタルで会社を分割せよ

――ネット媒体の編集長として朝日新聞社で働く中で、「今の新聞社では本当のデジタルファーストの実現は難しい」と実感されたそうですね。

理由は明白で、最終的な意思決定をする経営陣の、デジタルへの理解が足りていないからだ。では、新聞が生き残るにはどうすればいいか。いくつか組織改革の提案をしてみたい。

1つは、紙の新聞を制作する会社とデジタル新聞を制作する会社に、組織を2分割すること。前者は50代以上が社員となり、社長も(現行路線の人を)据え置く。一方、デジタル新聞社のほうは基本、現在の40代以下の社員で構成する。社長も40代、あるいは30代、20代でもいい。

あえて「世代」で分けたのは、成人するまでにデジタルに親しんだ世代と、社会人になって必要に駆られてネットを始めた世代では、現実に対応する力や新しい領域にチャレンジする力がまったく違うからだ。

――「紙の新聞の論理」で生きてきた世代と、その中で偉くなった経営層の下では、真のデジタルファーストは実現できないと。

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