金融関連のニュースを解説するツイッターアカウントが人気を博す、元日経記者の後藤達也氏。独立の背景を聞いた。
朝日新聞社は4月6日、他社媒体の編集権に”介入”したとして、峯村健司記者に懲戒処分を下した。他方、日本経済新聞に関しては若手記者の退職が相次いでいるという厳しい内情が報道されるなど、目下、新聞業界が何かと騒がしい。
個々の事件にはそれぞれの経緯や原因があるものの、底流には新聞社という組織ジャーナリズムの担い手の構造問題も存在していそうだ。新聞社は今、どんな課題を抱えているのか。部数減が止まらない中、どうすれば報道機関として復権できるのか。
今回話を聞いたのは、2022年3月に日経新聞を退職しフリーとして歩み始めた後藤達也氏。金融関連のニュースを解説するツイッターアカウントでは22万人以上のフォロワーを抱え、メディア関係者の中で屈指の規模を誇る。独立の背景を聞いた。
自分のキャリアはまだ「3回裏」
――退職に踏み切った理由を教えてください。
数年前から、日経に残るベネフィットとリスクを考えてきた。
日経で記事を書けば企業経営者や役所の幹部など、この国を動かす人々に読んでもらえる。経済界への取材アプローチもスムーズだ。収入面も悪くない。日経に残るベネフィットは少なからずあった。
一方でリスクはどうか。日経電子版は比較的成功しているものの、購読者数は頭打ち。紙と電子版を合計した購読者数はすでに減少している。とくに10代、20代の読者離れは深刻だ。新聞を読んでいない若年層がこの先日経を読み始めるかといえば、それも期待薄だろう。
私は今42歳で、65歳で定年退職するとしたら折り返し地点。だけど、70歳、80歳まで働くかもと考えれば、まだ野球でいう3回裏くらい。9回裏のゲームセットを見据えるタイミングではないなと。
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