ロシア新司令官「シリアの虐殺者」の背筋凍る正体 魂を売り渡した残虐な男は民間人を標的にする
ロシアの軍事介入を指揮したドボルニコフ
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナ東部での大攻勢に備えて、兵站(へいたん)と指揮系統を立て直すためアレクサンドル・ドボルニコフを作戦全体を統括する司令官に据えた──それがアメリカと欧州各国の高官の見立てだ。
シリアへのロシアの軍事介入を指揮したドボルニコフは残虐な戦術で知られ、「シリアの虐殺者」の異名を取る。
ウクライナの首都キーウ(キエフ)周辺からの撤退とドボルニコフの司令官任命。この2つの動きで、ロシアは侵攻作戦の初期の失敗を暗黙のうちに認めたことになる。
今後東部のドンバス地方で繰り広げられる戦闘はこれまでの戦闘とは比べものにならないほど激烈なものになると、ウクライナと西側の高官は警告する。
「ドンバスにおける戦闘は第2次大戦を彷彿させるような大規模な戦いになるだろう」
ウクライナのドミトロ・クレバ外相は4月上旬、NATO外相の会合で追加支援を訴えた後にそう述べた。
ロシア軍は北部ではウクライナ軍の激しい抵抗に遭いキーウ制圧に失敗したものの、ドボルニコフが指揮した南部では多少なりとも戦果が上がった。
それがロシア南部軍管区司令官のドボルニコフが侵攻作戦の統括を一任された理由の1つだと、米国防総省の高官は侵攻から1カ月半後の状況を見て匿名で指摘した。